たまに「武術を始めるのに年齢制限はあるのか」という質問を受けます。
僕は詠春拳を35歳の時から始めましたので、それくらいであれば「一般的には問題無いのでは」と伝えていますが、本音を言えば別に40歳だろうと50才だろうと始める年齢に制限は無いと思っています。
まあ、若い方が上達が早いというのはあるのかもしれませんが、若さが邪魔をする事もあるのではないでしょうか。
そんな感じで、今回は「武術や何らかのフィットネスを学ぶのに年齢は関係あるか」という点について書きます。
※ここでの武術練習って格闘技のプロを目指すとかいった話ではないですよ、念のため。
ニューヨーク時代の道場の知り合いにプロのミュージシャンが何人かいます。
ある日、「私の会社の同僚にドラムをやっていた人がいて、彼は学生時代に練習のし過ぎで腱鞘炎になりプロになるのを諦めたと聞いたが、君らはどのように練習してプロになったのか」と尋ねました。
いろいろと言っていましたが発言を纏めると「手首や指を含めて体が本来動く方向以外に動かすと不自然な動きとなり故障の原因になり易い、また自分の体の事を理解できないとそういった障害を起こしやすい。怪我さえしなければ練習は続けられるし、上達する」という事でした。
つまり上達には練習を続ける(られる)のが重要って事です。(当たり前か)
でも、この当たり前の発言は僕の練習方針に決定的に役立ちました。
自分の体の事って自分が一番良く知っているはずなのに痛いのを我慢して練習し続けるって誰にでも経験があると思います。
「これくらい平気、大丈夫」ってやつです。
それと道場では他の生徒の上達具合も気になったりして頑張り過ぎちゃう。(「あいつの方が上手い」って感じで) それはそれでモチベーション維持になるので大事だと思います。
でも良く考えると、それって怪我になる原因にも繋がっちゃう。
分かってはいるんだけど、イザとなると「負けん気」や「上手く見せたい」と思い込む傾向って誰にでもありますよね。
だから練習しながら、自分の体に無理をさせてないかを自問自答する事が必要です。
その上でインストラクターのアドバイスを活かせばよいと思います。
それに、インストラクターだって教えている人の体の特性を全て理解するのは非常に難しいので、まずは自分の体に問うてみるのが第一です。
勿論、インストラクターや師の指導を疑えと言っている訳ではないですよ。
一言でいえば「絶対に無理しない」。
自分の体を知り、自分の体に常に「無理していないか」と質問しながら練習する。
時間はかかるかもしれませんが、これが一番長く続けられるコツだと思いますし、無理して怪我でもしたら練習を続ける事が難しくなります。
それって当たり前なんですけど、イザ教え始めると始めると案外と結果を急ぐ人が多いんですよね。(僕も以前はそうでした)
習い事を始めるのに遅いとか、早いとかは関係無いと言いますが、でもそれには「自分の事を知った上で、焦らずに」というのが前提です。
詠春拳の事を速習の護身術と呼ぶ人がいるようですが、実際に今の世の中で明日にでも護身術が必要な人ってむしろ少ないだろうし、それよりも健康に続けられる方が現代社会には向いていると個人的に思います。(武術と護身については次の機会に考えを書きます)
詠春拳の場合にも姿勢や動きには厳密な武術的要求がありますし、怪我や障害が起こらないようにする為のコツもありますので、その様な知識は必要です。
武術に限らず運動を始める際には良い師、インストラクターを探して体に無理していないかを自問自答しながら、丁寧に練習する事が大事なのではないでしょうか。
「なんだそんな事か」的な結論ですが、これって割と見落としているような気がします。
皆さまお体に気を付けて、健康第一で体を動かしましょう!