カルチョで淘汰されない極右翼思想
「イタリアサッカーも深刻な暴力問題を抱えているな」
そう思わされたのが、今月初旬ローマで起こった事件。
セリエA所属ラツィオの熱狂的サポーター集団が
2部降格の危機にあるチームへの抗議行動のため
練習場に駆けつけ、練習場内に物を投げ込みました。
安全面を考慮し練習は中止。
事態収拾に駆けつけた地元警察が彼らと揉み合いとなり
騒ぎは拡大しました。
ウルトラにとって催涙ガスを多投する警察の登場は
「日に油を注ぐ」結果となり、3名のウルトラが大怪我、
5名が逮捕される事態に発展したわけです。
この事件の主犯となったウルトラ達。
実は、レアル・マドリーのウルトラス・スールと同じく、
極右翼系思想を持った団体であるそうです。
2000年に遡ります。
彼らがスタディオ・オリンピコに持ち込んだ巨大な横断幕には
「ONORE ALLA TIGRE ALKAN(タイガー・アルカンに栄誉あれ)」
と記されています。タイガー・アルカンとは、ユーゴ内戦および
ボスニア、コソヴォでの紛争中、ミロセヴィッチ政権下の
「特殊部隊」のリーダーとして戦ったセルビア人。
内戦中の大虐殺者として知られる男(下の画像)を指しています。
彼らは、ヨーロッパの極右勢力に共通する
反ユダヤ主義、移民排斥などの排他的民族主義を掲げるため、
90年代にラツィオで活躍した元オランダ代表のビンターなどは
肌の色を理由に、猛烈なパッシングを受けたのでした。
最近では、シュトゥットガルトから移籍した
トーマス・ヒッツルスペルガーが自他共に認める『左翼思想』
であったことで大きな話題を呼びました。
彼は移籍直前に
『自分もどんな環境下にあるチームであるかを理解した上で
移籍を決心している。
しかし、今後も右翼や人種差別を掲げる連中とは戦っていく。』
と周囲の懸念を無視するかのように、移籍を成し遂げます。
しかし・・・
彼が出場した試合は1試合のみ。このような不遇と、
極右翼を掲げるサポーター達との因果関係は不明ながら、
ローマに到着してからわずか1ヵ月半でトッテナムへの
移籍話が浮上しているのです。
その反面、アルカンと個人的に繋がりのあったミハイロビッチや、
堂々ファシスタを掲げていたパオロ・ディ・カーニオは、
尊名として崇拝されていたことで知られます。
ディ・カーニオに関しては、スタンドのウルトラからの
煽りに対応し、グランド内でネオナチならではの最敬礼をする始末。
クラブ側は、これら極右翼団体との直接的な支援や関係を
一切否定しており、この集団の撤廃を促す対策を施している
とのことですが、マドリーやバルサのように、
実力行使でスタジアムから追い出すくらいのことをせねば、
明日の暴力を生み出すだけであるような気がしてしまいます。
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