著者: 江國 香織
タイトル: いつか記憶からこぼれおちるとしても

とある私立女子高の同じクラスの女の子達が主人公の短編集。
それぞれ独立してるけど、脇役に他の話の主人公がさりげなく登場していたりして、全体でひとつの話。女子高生と言う、一種独特の世界が描き出されている。

それは、冒頭の一文で、表されている。
『学校では毎日いろんなことがおこる。教室のあちこちで。
 ワールドニュースみたいだ。どこかの国では戦争をしていて、どこかの国には寒波がきている。ほとんど裸みたいな格好で暮らして、たれさがったおっぱいにビーズの首飾りをじゃらじゃらつけている人たちもいる。
 教室ってそういうところだ。』

ある意味、とてもリアル。
登場人物は、それぞれに魅力的で、あー、いるいる、こんな子って、親近感が沸く。

語られる日常は、さして事件性があるわけでもなく、きっと彼女達の日常の一部を切り取ったら、こんな感じでした・・・というような。
あ~、だから、タイトル『いつか記憶からこぼれおちるとしても』なのか・・・と、納得。
なんでもない日常の一部だけど、とても大切な日々。
それを青春と言ってしまうには、あまりにも繊細な。

かつて、私にも、こんな日々があったのか・・・と、読んだ後、ちょっと感傷的な気分になってしまいました。