
著者: 江國 香織
タイトル: スイートリトルライズ
図書館で借りてきた『スイートリトルライズ』を読みました。
江國 香織さんは大好きな作家の一人です。
何よりも、文章が好きで、一文ずつ味わうように楽しみます。
この作品は、仲が悪いわけではないけど、冷えた夫婦が主人公で、妻と夫の視点からの出来事が交互につづられ、物語が進行していきます。
結婚して、結婚する前の恋の情熱が消え、嫌いなわけではないけれど、二人でいても気詰まりな、二人でいても満たされない、やりきれない閉塞感が、静かな文体で丁寧に描かれます。
二人は、お互いに他に恋人を作り、お互いに秘密を持ち合うことによって、二人は危うい均衡の上でつながっているという。
文章は静かに、淡々と進んでいくのだけど、読んでいて、とても苦しく、切なくなってくる。
どうして、こうなっちゃうのかな?夫婦って悲しいな・・・っていうのが、感想。
私は、聡のように、夕食後すぐに自室にこもり、鍵をかけて一人ゲームに夢中になるような人は、絶対に嫌だ。
私は、『聡はただのバカだ、結婚する資格無し』と思ったので、そんな聡を絶望しながらも愛している瑠璃子が、ただひたすら、気の毒で、愛おしいと思った。
スイートな幻想を見るには、テディベアのような男が必要なのかもしれないけど、成り立たなくなっていくのは仕方がないことなんだろうな。