癌になって、でもそれほど気にしないで、普通の病気と同じぐらいで治ると軽視していた時期から、今を振り返ってみます。
簡単に受けた治療方法を紹介
治療を時系列にしました。
①動注化学放射線療法
②抗がん剤: セツキシマブ+パクリタキセル
③BNCT
➃サイバーナイフ
➄抗がん剤: オプジーボ
⑥抗がん剤: セツキシマブ+パクリタキセル+カルボプラチン
ハイパーサーミア+高気圧酸素療法
⑦抗がん剤: カルボプラチン+5FU+キートルーダ
⑧手術
癌初めては12年前
歯医者で何か変なものが歯茎に出来ていると言われ(先生はもう腫瘍と分かっていたと思います)、すぐに癌治療指定病院で診てもらって下さいという事で、指示された。私は、癌というものがそれほど重篤な病気という感覚が無かったため、指定病院で癌と確定されたときも、ステージ2だからすぐ治るという軽視してとらえていた。というのも、上顎の歯茎に小さい塊があるぐらいで、手術といっても、この塊を切除するぐらいの感覚でした。よって、先生が手術しますと言われたときも、内容も聞かないでわかりましたと安直な返事をしました。でもその後あまりにも検査が多くてなおかつ手術を急ぐので、ちょっと不安に思い、一応手術内容を聞いてみました。そうしたら、上顎の右から1/4の顎を切除します。この時でさえ歯を抜くぐらいの安直なとらえ方でした。あんまりも安直に私が答えるので先生が、手術は8時間かかります。あまり頻度が無いぐらいの大変な手術です。手術後の後遺症を聞いて、そこではじめて事の重大さを認識したのを憶えています。手術受け入れの返事までは4日のタイムリミットとのことで焦りました。やばいやばい!! メスを入れなくても良い方法を24時間3,4日探しまくって、動注化学放射線療法に行きついたのを憶えています。
今から思えば、この治療はものすごく辛かったなあ~。
動注化学放射線療法
この治療は、今では考えられないが、照射量が40グレイと少ない。今では60~80グレイが一般的。
でもこの頃は、余裕をもった安全な範囲は40グレイが最大値と考えれれていたようです。
もっとも、放射線単独だけでなく、カテーテルを頭に埋め込んで、照射の前に抗がん剤を患部あたりに流し込む併用で広範囲に照射(正常細胞も癌細胞も一緒に攻撃)するため効力があったのだと思います。
重粒子、陽子線は60~80グレイだったので、その辺が安全範囲の限度ですね。
治療前半: 何の痛みもなく、毎日30分程度の照射で、楽勝じゃん~と思っていた。
治療中半: 口内の粘膜は剥がれ、固形物は無理なので、栄養ドリングの様なもので対応しました。それでも痛いので”キシリカイン”というこ麻酔薬を口に含んで、30秒ほど麻痺をさせた状態で、流し込むといった感じでした。
治療後半: 全く食欲もなくなり(食べれないので徐々に食欲減退)、口内は水を含んでも痛い。口腔内は粘膜がドロドロに溶けた感じで、歯茎も指を当てると、めり込みそうなぐらいの状態。
20回の照射を終えて、40グレイが終了。
その後、口内が正常に戻るまでに半年以上。この半年は地獄の様な日々で、こんな治療2度とするかあ~!!とその時は思いました。
その後、5年が経過して完治かと思ったその2年後、再発。
5年で完治と言われているので、再発かどうかはわかりませんが、同じ患部ということで再発です。
再発後の治療
今度も当然、放射線治療でできると安易に考えていました。
7年前に感じた、もうこの治療を2度とするか~!!と思ったことも7年経過すれば、良い記憶にするかえられていました。
切らなくてもこの治療でまた治るんだ~~~~~
ところが、先生がもう放射線治療はできません。とのこと。なぜなぜ!!
放射線治療は2度目はありません。と言われる。えええええええええ!!
じゃあどうするの????
手術ですか??? いやだ~~~~~~!!
抗がん剤治療開始: セツキシマブ+パクリタキセル
という事で、抗がん剤治療になりました。
抗がん剤は今は分子標的薬で髪の毛も抜けないし、良く効きますよとのこと。
先生: ただし、副作用として、あかぎれの様な症状はでますからねえ!
私: あかぎれぐらいなら、いいや!!
先生: 但し、パクリタキセルという薬剤も一緒に投与します。こちらは昔ながらの抗がん剤です。
私: ちょっと待ってくださいね!! 昔ながらの抗がん剤という事は、髪の毛はどうなりますか?
先生: 抜けますよ。 倦怠感や気持ち悪さも出ますよ。
私: ええええええ!! じゃあ、結局昔ながらの抗がん剤の副作用が出るという事なんじゃないですか!
先生: そうですね。意味わからん説明だあ~
ということで、投与が始まりました。
ここで、抗がん剤の知識がない僕は、これでまた消えると思い込んでいました。
ところがところが、癌は小さくなるものの、一向に消える気配がない。
そこで、抗がん剤の効能を調べた結果、延命治療として効くのであって、完治するのは難しいことを知りました。
要は、先生が効くという表現は、患者が受け止める完治とは違うという事を初めて知りました。
先生が効くというのは、癌は消えないが、広がらない、もしくは多少小さくなるという延命治療の効果であって完治するという事ではないということ。
BNCT
これじゃあ、完治できないじゃん!! どうするどうする!!
そういえば昔、ホウ素を使用した治療が2年まえぐらいにNHKで放送されていたことを思い出しました。ネットで”癌 ホウ素 治療”とキーを入力したらBNCTに行きつきました。
ただし、この治療は治験の第三相の状態で、南東北病院で企業主体の治験を行っていることを知り、すぐに申し込みましたが、癌の大きさと深さが、規定値におさまっていないという事で、却下されました。
しかし、川崎医科大病院で、病院主体の治験を行っているという事を知り、期待はしないで聞いてみたら、大丈夫ですということで、行いました。
これで完治できるんだ~
と希望に満ちて臨みましたが、結果取り切れずで失敗。
治療としては、朝から点滴をして、3時間後ぐらいに中性子を1時間当てて、治療完了といった夢の様な治療でした。
4,5時間で治療が完了するわけですから。
治療後のPETCT検査で大きかった腫瘍が、みるみる小さくなったいったのですが、ほんの少しの赤い塊。この塊は、先生方は炎症なのか残っているのか分からないとのことでしたが、ほぼ炎症と考えていたようです。僕もそうであることを祈っていました。
後遺症
この治療の後遺症は、ものすごいものでした。動注化学放射線療法の後遺症など比べものにならないぐらい、大変でした。
口内炎はものすごく、味覚はなし、口の中は白くどろどろした粘膜がいっぱいで痛くて痛くて仕方がない。
髪の毛は抜けたまま、いまだに生えない。
多分、現在実施されているBNCTはピーポイント照射かもしれないので、後遺症は軽減されているかもしれないかも。
サイバーナイフ
BNCT治療を行ってもらった病院の担当医が、これだけ小さくなったらサイバーナイフで一気に取り去ってしまうことが可能かもしれませんとのこと。あなたは動注化学放射線療法とBNCTを行っているので、ピーポイントで照射できるサイバーナイフなら今まで照射されたところを避けて、治療が可能かもしれませんよ!という事で、愛知県にある病院で治療可能かどうか聞いてみました。そのころ行っていた主病院では病院の方針で、2回目の放射線照射はできないことになっているという事でした。
IMRTもピーポイントなのになあ~。
サイバーナイフ治療は先生がかなりシビアになって説明してくれました。結論からして、何とか行うのは可能ですが、照射患部の壊死や再発はかなりの確率で発生します。それでもやりたいですか?
BNCTでかなり小さくなっていた幹部であったため、これを逃したら完治は望めないだろうと考えリスクを承知で、受けました。
結果、3ケ月後のCTで完全消えました。しかし半年後のCTで再発が確認されました。先生が言っていたかなりの高確率での再発が実現してしまいました。
でもこの治療は、動注化学放射線療法の時と違って、70グレイも照射せているのに、全く口内炎も発生しなくて、本当に照射されたの??の思うぐらい後遺症は0でした。
オプジーボ
兼ねてより完治希望が望めるオプジーボを要求してみました。
先生も、やるんだったら、体が正常なうちに試してみるのもいいかも!!やるんだったら、今だよと言われ、投与開始。
1、2回目は何の変化もなし。3、4,5回目 多少小さくなったかなあ~(見た目ですが)
6,7回目 変換無でCTを撮影。 全く効果なし
抗がん剤(セツキシマブ+パクリタキセル+カルボプラチン)+ 治療器(ハイパーサーミア+高気圧酸素療法)
この治療がかなり長かった。1年以上続きました。
患部が小さくなったり大きくなったりを繰り返しました。
この地点でははだ、完治出来るものと期待していましたが、1年を経過したぐらいから、効き目が無くなりました。
適応できる最後の抗がん剤
抗がん剤:キートルーダ+カルボプラチン+5FU
この治療がかなり負担でした。
5FUは24時間5日間連続投与のため、点滴はつなぎっぱなし。シャワーもまともに浴びれない。
点滴用の針がもう血管に入らない状態もしくは入っても流れない、入れるまでに数十回失敗して地獄絵図。
運良く入っても、数時間後には薬剤が流れないで、針を再度入れ替え。
4回目の入院の時に、40回ぐらい失敗されてもう入りませんと、薬剤投与中止でポートを入れることになりました。
しかしポートを入れて3回目の点滴で、カルボプラチンによる重度のアレルギー症状勃発で、死ねかと思ったぐらい酷かった。
よって、この最後の抗がん剤セットも中止。
光免疫療法希望で病院を探す。
最後の手段は手術でしたが、主病院では手術適応外との判断で、光免疫を行っている病院で話を聞くことに。
しかし、まだ手術可能との事で、これだけの治療をしてダメなのが理解できましたよね!!あとは、後遺症はかなり出ますが、根治を目指しましょうということや、このころには患部は痛みで薬が効かなくなり、もうなんでもしてくれ~~~~!!という感じで手術決行。
しかし結果は、再発。手術前の位置とは違う位置に発生しました。
いつまで続くこの戦い。