こんにちは、おっさんです。

今日は娘の入学式です。

本人も期待と不安でいっぱいだと思います。

おっさんは入学式の会場がスロープがないので

車いすでは参加できないのでお留守番です。

今日、娘にどんな出会いが待っているのか

楽しみにしながら勉強頑張ります。


会社法(12)-組織再編
の確認テスト結果は、7問中、5問正解でした。

 株式会社と持分会社間の合併は、することができない。

正解×
 株式会社と持分会社間の合併もすることができ、この場合、持分会社を存続会社又は新設会社とすることもできます(会社法748条)。


 株式会社間で吸収合併をする場合には、原則として、双方の株式会社において株主総会の特別決議による承認が必要である。

正解〇
 合併契約に関する書面等を当事会社双方の本店に備え置き、その株主及び債権者に事前に開示した上で、原則として、当事会社双方の株主総会において特別決議による承認を受けなければなりません(会社法782条、783条1項、794条、795条1項、309条2項12号)。


 株式会社間で吸収合併をする場合において、存続株式会社の株主には、たとえ合併に反対であっても当該株式会社に対する株式買取請求権は認められない。

正解×
 株式会社間で吸収合併をする場合には、消滅株式会社と存続株式会社いずれの株主であっても、合併に反対する株主には株式買取請求権が認められます(会社法785条、797条)。


 株式会社が、新設分割により新たに株式会社を設立する場合には、当該設立会社の発起人となる者が新設分割計画を作成しなければならない。

正解×
 新設合併や新設分割など組織再編により新たに株式会社を設立する場合には、発起人を必要としません(会社法25条)。したがって、新設分割計画は、分割会社が作成することになります(会社法762条、763条)。


 株式交換完全親会社は、株式会社でなければならない。

正解×
 株式交換とは、株式会社が、その発行済株式の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることです(会社法2条31号)。したがって、株式会社だけでなく、合同会社も完全親会社になれます。


 事業譲渡に関して、会社がその事業の全部又は重要な一部を譲渡する場合には、譲渡会社において、株主総会の特別決議による承認を受けることを要するが、譲渡資産の額が譲渡会社の総資産額の5分の1を超えないときは、株主総会の承認は不要である。

正解〇
 事業の全部又は重要な一部(譲渡資産の額が譲渡会社の総資産額の5分の1を超えるもの)を譲渡する場合には譲渡会社において、株主総会の特別決議による承認を受けることを要します(会社法467条1項1号・2号、309条2項11号)。


 事業譲渡をした会社は、当事者に別段の意思表示がない限り、同一の市区町村及びこれに隣接する市区町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から20年間は、譲渡した事業と同一の事業を行うことができない。

正解〇
 事業譲渡契約で定めた効力発生日等に事業譲渡の効力が生じると、当事者間では、事業譲渡契約の定めに従い、譲渡対象財産に対する権利が当然に移転します。そして、譲渡会社は競業避止義務を負うこととなり、当事者に別段の意思表示がない限り、譲渡会社は、同一の市区町村及びこれに隣接する市区町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から20年間は、譲渡した事業と同一の事業を行うことができません(会社法21条1項)。


セレクト過去問集-基礎法学
の結果は、16問中、12問正解でした。

 

 

法令の効力に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

 

1 法律の内容を一般国民に広く知らせるには、法律の公布から施行まで一定の期間を置くことが必要であるため、公布日から直ちに法律を施行することはできない。

2 法律の効力発生日を明確にする必要があるため、公布日とは別に、必ず施行期日を定めなければならない。

3 日本国の法令は、その領域内でのみ効力を有し、外国の領域内や公海上においては、日本国の船舶および航空機内であっても、その効力を有しない。

4 一般法に優先する特別法が制定され、その後に一般法が改正されて当該特別法が適用される範囲について一般法の規定が改められた場合には、当該改正部分については、後法である一般法が優先して適用され、当該特別法は効力を失う。

5 法律の有効期間を当該法律の中で明確に定めている場合には、原則としてその時期の到来により当該法律の効力は失われる。


正解5

1 妥当でない。法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行されます。ただし、法律でこれと異なる施行期日を定めたときは、その定めによります(法の適用に関する通則法2条)。したがって、法律で、公布日と施行日を同日とする定めをすることもできるため、本肢は妥当ではありません。

2 妥当でない。法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行されます。ただし、法律でこれと異なる施行期日を定めたときは、その定めによります(法の適用に関する通則法2条)。したがって、施行期日を定めなければ、公布の日から起算して20日を経過した日から施行されるため、「公布日とは別に、必ず施行期日を定めなければならない」とする本肢は妥当ではありません。

 

 法律や条例は、法令の附則や施行法などによって施行日が定められない場合には、以下の日が施行日となります。

 

3 妥当でない。 刑法1条1項は、「日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。」と規定し、同法同条2項は、「日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても、前項と同様とする。」と規定します。したがって、日本国の船舶および航空機内では、日本国の法令が効力を有することがあります。

4 妥当でない。 新法と旧法では、新法が優先して適用されるのが原則ですが、新法が一般法で、旧法が特別法の場合には、旧法である特別法が優先して適用されます

5 妥当である。 有効期間が定められている法令を限時法といいますが、この場合、原則としてその時期の到来により当該法令の効力は失われます。

 

 

法令における通常の用語法等に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

 

1 「及び」と「並びに」は、いずれもその前後の語句を並列させる接続語であり、並列される語句に段階がある場合には、一番小さな並列的連結にだけ「及び」を用い、他の大きな並列的連結には全て「並びに」を用いる。

2 「又は」と「若しくは」は、いずれも前後の語句を選択的に連結する接続語であり、選択される語句に段階がある場合には、一番大きな選択的連結にだけ「又は」を用い、他の小さな選択的連結には全て「若しくは」を用いる。

3 法令に「A、Bその他のX」とある場合には、AとBは、Xの例示としてXに包含され、「C、Dその他Y」とある場合は、C、D、Yは、並列の関係にある。

4 法令に「適用する」とある場合は、その規定が本来の目的としている対象に対して当該規定を適用することを意味し、「準用する」とある場合は、他の事象に関する規定を、それに類似する事象について必要な修正を加えて適用することを意味する。なお、解釈により準用と同じことを行う場合、それは「類推適用」と言われる。

5 「遅滞なく」、「直ちに」、「速やかに」のうち、時間的即時性が最も強いのは「直ちに」であり、その次が「遅滞なく」である。これらのうち、時間的即時性が最も弱いのは「速やかに」である。

 

正解5

1  妥当である。「及び」と「並びに」はどちらも、複数のものを「併合的」につなぐ場合に使われるものです。「及び」と「並びに」は使われるレベルが異なり、小さい接続では「及び」を使い、それ以外は「並びに」を使います。

2 妥当である。「又は」と「若しくは」はどちらも、複数のものを「選択的」につなぐ場合に使われるものです。「又は」と「若しくは」は使われるレベルが異なり、大きい接続では「又は」を使い、それ以外は「若しくは」を使います。

3  妥当である。 「その他」とは、その前にある語句が後にある語句の例示になっています。一方、「その他」とは、その前後にある語句が「並列」の関係にある場合に用います。

4  妥当である。「適用する」とは、法の規定を、特定の人や事物に個別・具体的に当てはめて作用させることです。それに対して「準用する」とは、法の規定を、他の類似する事項について、必要な修正を加えることにより当てはめをすることです。また、法の欠缺となっている場合に、その事項について類似の別の事項について規定する条項と同様に扱って解釈をする方法を類推解釈といい、解釈において準用と同じことを行うことになります。

5 妥当でない。 いずれも「速く」という意味ですが、「直ちに」が一番緊急性が高く、次に「速やかに」、そして「遅滞なく」の順で緊急性が低くなります。

 

 

 慣習または慣習法に関する次の記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

 

ア 犯罪と刑罰の内容は、あらかじめ法律によって規定されたものでなければならないから、慣習法は刑法の直接の法源とはなりえない。

イ 民法は、物権法定主義を原則としているから、入会権については各地方の慣習に従うことはない。

ウ 法令の中の公の秩序に関しない規定とは異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。

エ 商事に関しては、まず商法の規定が適用されるが、商法に規定がないときは民法が適用され、民法の規定もない場合には商慣習法が適用される。

オ 国際法は国家間の合意に基づいて成立するが、その合意には明示のものと黙示のものとがあり、前者は条約であり、後者は国際慣習法であって、この両者が国際法の法源となる。

 

1 ア・ウ

2 イ・エ

3 ウ・オ

4 ア・エ

5 イ・オ

 

正解2

ア 妥当である。刑罰を科す旨を定めた法律がなければ、処罰をすることはできないという罪刑法定主義の原則があるため、慣習法は刑法の直接の法源とはなりえません

イ 妥当でない。入会権は、共有の性質を有するものと有しないものがありますが、いずれも、「各地方の慣習に従う」旨の規定があります(民法263条、294条)。

ウ 妥当である。民法には、法令中の公の秩序に関しない規定(任意規定)と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従うとの規定があります(同法92条)。

エ 妥当でない。商事に関しては、商法の規定がまず適用され、この規定がないときは、商慣習が適用され、さらに商慣習がないときに、民法が適用されます(商法1条2項)。

オ 妥当である。国際法(国際公法)には、国家間での明示の合意による条約と黙示による国際慣習法があります。この両者が国際法の法源となります。

 以上により、妥当でないものはイ・エとなるので、2が正解となります。

 

 

 わが国の法律に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

 

1 わが国の法律は基本的には属人主義をとっており、法律によって日本国民以外の者に権利を付与することはできない。

2 限時法とは、特定の事態に対応するために制定され、その事態が収束した場合には失効するものをいう。

3 法律が発効するためには、公布がされていることと施行期日が到来していることとの双方が要件となる。

4 国法は全国一律の規制を行うものであり、地域の特性に鑑み特別の地域に限って規制を行ったり、規制の特例措置をとったりすることは許されない。

5 日本国憲法は遡及処罰の禁止を定めており、法律の廃止に当たって廃止前の違法行為に対し罰則の適用を継続する旨の規定をおくことは許されない。

 

正解3

1 妥当でない。わが国の法律は基本的には「属地主義」をとっています。属人主義」は例外的に採用されているにすぎません

2 妥当でない。限時法(時限立法)とは、法令自らが有効期間を定めているものをいいます。本肢のように特定の事態に対応するために制定され、その事態が収束した場合に失効する法ではありません。

3 妥当である。法律が発効するためには、それが「制定」され、「公布」され、「施行」される必要があります。

4 妥当でない。国法は、原則として全国一律の規制を行いますが、憲法95条に規定する地方自治特別法は、1つの地方公共団体のみに適用される法律であり、地域の特性に鑑み特別の地域に限って規制を行うことも許されます。

5 妥当でない。日本国憲法39条は、「遡及処罰の禁止」を定めています。この規定は、実行行為の時に適法であった行為については、刑事上の責任を問われない罪刑法定主義の帰結の一つといえるものです。しかし、本肢のように法律の廃止前の違法行為に対し罰則の適用を継続する旨の規定をおくことは、この規定に反せず有効であるとするのが判例です(最判昭30・7・22、最判昭37・4・4など)。

 

 

世界各国の法体系は、大陸法系と英米法系に分類されることがあるが、大陸法系と英米法系の法制度等の差異に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

 

ア 大陸法系の諸国では、一般に法曹養成機関等を修了した者を直ちに裁判官に任用する職業裁判官の制度が採用されている。これに対して、英米法系の諸国では、一般に弁護士の経験を有する者の中から裁判官を選任する法曹一元の制度が採用されている。わが国においては、司法研修所における司法修習を終えた者が直ちに裁判官に任用されるのが通例であるが、弁護士の経験を有する者が裁判官に任用されることもある。

イ 大陸法系の諸国では、ローマ法および教会法の影響を受けて、近代以降に民法典や刑法典等の成文法が整備され、それらの成文法が主要な法源となっている。これに対して、英米法系の諸国では、英国の古来の慣習から発展した判例が主要な法源となっているが、刑法の領域については、罪刑法定主義の観点から、判例を法源とすることは一切認められていない。わが国においても、犯罪は法律により明確に定められていることを要する。

ウ 大陸法系の諸国では、公法と私法の区別が重視され、行政事件を取り扱う特別の裁判所が設置されているのが通例である。これに対して、英米法系の諸国では、公法と私法の区別は重視されず、行政事件も通常の裁判所が裁判を行う。わが国においては、大日本帝国憲法に基づいて行政裁判所が設置されていたが、日本国憲法の施行にともない廃止された。

エ 大陸法系の諸国の裁判では、刑事事件と民事事件が明確に区別される。これに対して、英米法系の諸国では、刑事事件と民事事件が明確に区別されず、刑事裁判において犯罪の被害者等が損害賠償の請求を行う付帯私訴と呼ばれる制度が採用されているのが通例である。わが国においても、近年の刑事司法制度の改革により、特定の犯罪に関して付帯私訴の制度が導入された。

オ 刑事裁判において、大陸法系の諸国では、国民から選任された参審員が裁判官と合議体を構成して裁判を行う参審制度が採用されている場合がある。これに対して、刑事裁判において、英米法系の諸国では、国民から選任された陪審員が事実を認定して評決を行う陪審制度が採用されているのが通例である。わが国の裁判員制度は、裁判員が裁判官と合議体を構成して事実の認定とともに量刑に係る判断に関与することから、英米法系の陪審制度と異なるが、他方で、裁判員は法令の解釈に係る判断に関与しないことから、大陸法系の参審制度とも異なっている。

 

1 ア・ウ

2 ア・エ

3 イ・エ

4 イ・オ

5 ウ・オ

 

正解3

ア 妥当である。大陸法系の諸国では「職業裁判官の制度、英米法系の諸国では「法曹一元の制度を採用するという特徴があります。わが国においては、司法研修所における司法修習を終えた者が直ちに裁判官に任用されるのが通例ですが、弁護士の経験を有する者が裁判官に任用されることもあります。

イ 妥当でない。大陸法系の諸国では、成文法が主要な法源とされている前半の記述は妥当です。後半の記述である英米法系の諸国の法源される判例は、刑法の領域においても法源とされています。「判例を法源とすることは一切認められていない」とする本肢の記述は妥当ではありません。

ウ 妥当である。大陸法系の諸国では、行政事件を取り扱う行政裁判所が設置されているのが通例です。一方、英米法系の諸国では、行政事件も通常の裁判所が裁判を行います。なお、わが国においては、日本国憲法の施行に伴い行政裁判所が廃止されました。

エ 妥当でない。大陸法系の諸国の裁判でも英米法系の諸国の裁判でも、刑事事件と民事事件は明確に区別されています。また、付帯私訴の制度は、大陸法系の諸国で採用されています。わが国においては、旧刑事訴訟法で付帯私訴の制度が認められていましたが、現行の刑事訴訟法では廃止されています。

オ 妥当である。大陸法系の諸国の刑事裁判では、「参審制度」が採用されており、英米法系の諸国では、「陪審制度が採用されているのが通例です。わが国の裁判員制度は、陪審制度とも参審制度とも異なる制度です。

 以上により、妥当でないものの組合せは、イ・エの3となります。

 

 

 類似の事柄であっても正確に区別して表現するために用いられる法令に特有の用語法について説明している次の文において、文中の空欄 ア ~ オ に当てはまる用語の組合せとして、妥当なものはどれか。

 

  ア は、ある事物Aと、それと性質を異にする他の事物Bとを、一定の法律関係において同一視し、当該他の事物Bについて生じる法律効果を、その事物Aについて生じさせる場合に用いるのに対し、 イ は、ある事実について、当事者間に取決めがない場合または反対の証拠が挙がらない場合に、法が一応こうであろうという判断を下して、そのような取扱いをする場合に用いる。したがって、後者においては、当該事実について反対の証拠が挙がれば、この一応の取扱いは覆されることになる。

 また、 ウ と エ はある法令上の制度や規定を、他の事項に当てはめて用いる場合に用いられる言葉として共通性があるが、 ウ は、法令の個々の規定を他の事項に当てはめる場合に用いられるのに対して、 エ は、一つの法令のまとまりのある制度全体を包括的に他の事項に当てはめる場合に用いられるという違いがある。なお、法令が改廃された場合で、旧規定は効力を失っているが、なお一定の事項については包括的に旧規定が適用されていた場合と同様に取り扱うときには、オ という表現が用いられる。

 

① 「例による」

② 「なお効力を有する」

③ 「なお従前の例による」

④ 「みなす」

⑤ 「適用する」

⑥ 「推定する」

⑦ 「準用する」

 

  ア イ ウ エ オ

1 ⑥ ④ ⑦ ① ③

2 ⑥ ④ ① ⑦ ②

3 ④ ⑥ ⑤ ① ③

4 ⑥ ⑤ ① ⑦ ②

5 ④ ⑥ ⑦ ① ③

 

ア ④「みなす」が入る。「ある事物Aと、それと性質を異にする他の事物Bとを、一定の法律関係において同一視し、当該他の事物Bについて生じる法律効果」とは「みなす」の意味です。

イ ⑥「推定する」が入る。「ある事実について、当事者間に取決めがない場合または反対の証拠が挙がらない場合に、法が一応こうであろうという判断を下して、そのような取扱いをする場合」とは「推定する」の意味です。

ウ ⑦「準用する」が入る。「法令の個々の規定他の事項に当てはめる場合に用いられる」とは「準用する」の意味です。

エ ①「例による」が入る。「一つの法令のまとまりのある制度全体を包括的に他の事項に当てはめる場合に用いられる」とは、「例による」の意味です。

オ ③「なお従前の例による」が入る。「法令が改廃された場合で、旧規定は効力を失っているが、なお一定の事項については包括的に旧規定が適用されていた場合と同様に取り扱う」とは、「なお従前の例による」の意味です。「なお従前の例による」は経過措置を定めている「附則」の中で使われるものです。

 以上により、正解は5となります。

 

 

 各種の裁判所や裁判官に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

 

1 高等裁判所長官、判事、判事補および簡易裁判所判事は、いずれも最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣が任命する。

2 高等裁判所、地方裁判所および家庭裁判所の裁判官については65歳の定年制が施行されているが、最高裁判所および簡易裁判所の裁判官については定年の定めが存在しない。

3 地方裁判所や家庭裁判所の裁判は、事案の性質に応じて、三人の裁判官による合議制で行われる場合を除き、原則として一人の裁判官によって行われるが、高等裁判所の裁判は、法律に特別の定めがある場合を除き、複数の裁判官による合議制で行われることになっている。

4 簡易裁判所は軽微な事件の処理のために設けられた下級裁判所であり、訴訟の目的の価額が一定額を超えない請求に関する民事事件、罰金以下の刑にあたる罪など一定の軽微な犯罪についての刑事事件の第一審を担当する。

5 最高裁判所は、大法廷または小法廷で審理を行うが、法令等の憲法違反の判断や最高裁判所の判例を変更する判断をするときは、大法廷で裁判しなければならない。

 

正解2

1 妥当である。 「高等裁判所長官、判事、判事補及び簡易裁判所判事」は、すべて下級裁判所の裁判官です。この場合は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣が任命することになります(憲法80条1項)。

2 妥当でない。高等裁判所、地方裁判所及び家庭裁判所の裁判官は65歳、簡易裁判所及び最高裁判所の裁判官は、70歳の定年制が定められています(憲法79条5項、80条但書、裁判所法50条)。

3 妥当である。 地方裁判所及び家庭裁判所の裁判は1人で行われるのが原則です(裁判所法26条1項、31条の4第1項)。これに対し、高等裁判所の裁判は、原則として裁判官3人による合議制がとられています(裁判所法18条1項、2項)。

4 妥当である。簡易裁判所は、訴額140万円を超えない民事訴訟の第一審(行政事件訴訟に係る請求を除く。)、罰金以下の刑にあたる罪、選択刑として罰金が定められている罪など一定の軽微な犯罪についての刑事事件の第一審を担当します(裁判所法33条1項)。

5 妥当である。法令等の憲法違反の判断や最高裁判所の判例を変更する判断をするときは、大法廷で裁判しなければなりません(裁判所法10条但書)。

 

 

わが国の裁判制度に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

 

1 わが国の裁判制度は、三審制を採用していることから、高等裁判所が第一審裁判所になることはない。

2 民事訴訟または刑事訴訟のいずれであっても、第一審裁判所が簡易裁判所である場合には、控訴裁判所は地方裁判所となり、上告裁判所は高等裁判所となる。

3 裁判官が合議制により裁判を行う場合には、最高裁判所の裁判を除いて、裁判官の意見が一致しないときであっても、少数意見を付すことはできない。

4 刑事訴訟においては、有罪判決が確定した場合であっても、あらたに証拠が発見されるなど重大な理由があるときには、有罪判決を受けた者の利益のために再審を行うことができるが、民事訴訟においては、再審の制度は認められていない。

5 家庭裁判所は、家庭に関する事件の審判および調停ならびに少年保護事件の審判など、民事訴訟や刑事訴訟になじまない事件について権限を有するものとされ、訴訟事件は取り扱わない。

 

正解3

1 妥当でない。刑事訴訟では、内乱に関する罪については高等裁判所が第一審裁判所となります(裁判所法16条4号)。

2 妥当でない。民事訴訟では、第一審裁判所が簡易裁判所であるとき、控訴裁判所は地方裁判所でとなります(裁判所法24条3号、4号)。一方、刑事訴訟では、第一審裁判所が簡易裁判所であるとき、控訴裁判所は高等裁判所となります(裁判所法16条1号、2号)。

3 妥当である。裁判所法の規定では、最高裁判所についてだけ、各裁判官の意見を付さなければならないことを規定しています(同法11条)。しかし、下級裁判所ではそのような規定がないため、少数意見を付すことはできません。

4 妥当でない。本肢のように刑事訴訟では再審をすることができます(刑事訴訟法435条)。また、民事訴訟においても、確定判決に重大な瑕疵がある等の再審事由がある場合には、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができます(民事訴訟法338条1項本文)。

5 妥当でない。家庭裁判所は、家庭に関する事件の審判及び調停、少年の保護事件の審判、「人事訴訟の第一審の裁判」をする権限を有します(裁判所法31条の3第1項2号)。したがって、訴訟事件も取り扱います。

 

 

「日本司法支援センター」(いわゆる「法テラス」のこと。以下、「支援センター」とする。)の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

1 支援センターは、利用者からの問合せに応じて、裁判等の法的紛争を解決するための法制度に関する情報、弁護士や隣接法律専門職者(以下、弁護士等という。)の業務および弁護士会や隣接法律専門職者の団体の活動に関する情報を無料で提供する業務を行う。

2 支援センターは、利用者からの個別の依頼に応じて、法的紛争の解決方法について指導および助言を無料で行い、利用者の資力が十分でない場合には、弁護士等の中から適当な者を紹介して、その報酬および費用を支払う業務を行う。

3 支援センターは、刑事事件の被告人または被疑者に国選弁護人を付すべき場合において、裁判所からの求めに応じて国選弁護人の候補を指名して通知を行い、選任された国選弁護人にその事務を取り扱わせて、その報酬および費用を支払う業務を行う。

4 支援センターは、いわゆる司法過疎地において、利用者からの個別の依頼に応じ、相当の対価を得て、適当な弁護士等に法律事務を取り扱わせる業務を行う。

5 支援センターは、犯罪の被害者やその親族等に対して、刑事手続への適切な関与やその損害または苦痛の回復・軽減を図るための制度その他被害者やその親族等の援助を行う団体等の活動に関する情報を無料で提供する業務を行う。

 

正解2

1 正しい。法テラスは、本肢のような情報提供業務を「無料」で行います(支援法30条1項1号)。

2 誤り。法テラスは、弁護士費用などの「実費の立替え」を業務として行うことがありますが、「報酬および費用を支払う」業務を行うことはありません(民事法律扶助業務。支援法30条1項2号)。

3 正しい。法テラスは、本肢のような国選弁護等関連業務を行います(支援法30条1項6号、34条2項3号)。

4 正しい。法テラスは、本肢のような司法過疎対策業務を「相当の対価を得て」行います(支援法30条1項7号)。

5 正しい。法テラスは、本肢のような犯罪被害者支援業務を「無料」で行います(支援法30条1項8号)。

 

 

裁判外の紛争解決手続の種類に関する次の文章の空欄 A ~ D 内に当てはまる語として、正しいものの組合せはどれか。

 

 紛争当事者は、話し合いにより互いに譲り合って紛争を解決することができる。しかし当事者間で話し合いがつかないときは、権威のある第三者に入ってもらって、紛争を解決するほかない。国家はそのために、正式な裁判のほかにも種々の制度を用意しているが、その一つが裁判上の A である。また「当事者の互譲により、条理にかない実情に即した解決を図ることを目的とする」紛争解決方法として、わが国では B が発達し、争いの性質によっては訴訟よりも活用されてきた。たとえば家事事件手続法によれば、 B を行うことのできる事件についてはいきなり訴訟を提起することはできず、まずは B の申立てをしなければならない。裁判によらない紛争解決の方法としては、さらに C がある。これは紛争当事者が争いの解決のために第三者を選び、その判断に服することを約束することによって争いを解決する手段であり、特に商人間の紛争解決手法として古くから発達してきた。近時はこのような裁判外の紛争解決方法を D として捉えて、その機能を強化することへの期待が高まっており、関係する制度の整備が行われている。

 

   A      B       C       D

1 和解    調停      仲裁      PFI

2 示談    仲裁      あっせん    ADR

3 和解    調停      仲裁      ADR

4 調停    仲裁      あっせん    PFI

5 示談    あっせん    裁定      PSE

 

正解3

 A 「和解」が入る。問題文に「第三者に入ってもらって、紛争を解決する」とあり、その後に「裁判上の A 」となっているため、これに該当する語として「和解」が該当します。裁判上の「示談」とか「調停」というものは存在しません。

 B 「調停」が入る。「いきなり訴訟を提起することはできず、まずは B の申立てをしなければならない」ということから、「調停前置主義」が考えられるため、 B には「調停」が入ります。

 C 「仲裁」が入る。「紛争当事者が争いの解決のために第三者を選び、その判断に服することを約束することによって争いを解決する手段」というところから、 C には「仲裁」が入ります。

 D 「ADR」が入る。「ADR」とは、「alternative dispute resolution」の略で「裁判外紛争解決手続」のことを意味します。

 以上により3が正解となります。

 

 

法令の用語として「又は」と「若しくは」の用法は、選択される語句に段階がある場合には、段階がいくつあっても、一番大きな選択的接続に「又は」を用い、その他の小さな選択的接続には、「若しくは」を用いる。次の、地方自治法180条の2の条文中の空欄ア ~ オ に当てはまる接続詞の組合せとして、妥当なものはどれか。

 

 「普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を、当該普通地方公共団体の委員会 ア 委員と協議して、普通地方公共団体の委員会、委員会の委員長、委員 イ これらの執行機関の事務を補助する職員 ウ これらの執行機関の管理に属する機関の職員に委任し、 エ これらの執行機関の事務を補助する職員 オ これらの執行機関の管理に属する機関の職員をして補助執行させることができる。ただし、政令で定める普通地方公共団体の委員会又は委員については、この限りでない。」

   ア     イ     ウ    エ     オ

1 又は    若しくは  若しくは  又は    若しくは

2 又は    若しくは  若しくは  若しくは   又は

3 若しくは   又は    若しくは  若しくは   又は

4 若しくは   若しくは  又は    若しくは   又は

5 若しくは   又は    若しくは  又は    若しくは

 

正解1

 本問で引用されている地方自治法180条の2の条文を上記の規則に従って分解してみます。

 まず、この条文は大きく3つに分けることができます。

①「普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を、当該普通地方公共団体の委員会 ア 委員と協議して、」

②「普通地方公共団体の委員会、委員会の委員長、委員 イ これらの執行機関の事務を補助する職員 ウ これらの執行機関の管理に属する機関の職員に委任し、 エ これらの執行機関の事務を補助する職員 オ これらの執行機関の管理に属する機関の職員をして補助執行させることができる。」

③「ただし、政令で定める普通地方公共団体の委員会又は委員については、この限りでない。」

①は、事務の一部について「委員会」と「委員」が協議をするとされています。これは、2つの事項を選択的に使用しているだけなので、 ア には「又は」が入ります。

この時点で、正解は肢1又は2に絞られます。

②は、さらに「普通地方公共団体の委員会、委員会の委員長、委員 イ これらの執行機関の事務を補助する職員 ウ これらの執行機関の管理に属する機関の職員に委任し、」と

「 エ これらの執行機関の事務を補助する職員 オ これらの執行機関の管理に属する機関の職員をして補助執行させることができる。」に大きく分類することができます。

 以上から、大きい接続は、 エ 部分となり「又は」が入り、それ以外の イ ウ オ には、「若しくは」が入ることになります。

 以上により、正解は1となります。

 

法律・政省令・条例など、各種の法規の概念や相互の関係等に関する次のア~エの記述について、その正誤の組合せとして妥当なものはどれか。

 

ア 地方議会が制定する法規が「条例」、知事や市町村長など自治体の長ならびに教育委員会、公安委員会などの行政委員会が定める法規が「命令」であって、両者を総称した概念が「条令」である。

イ 法律と法律、条例と条例など、形式的な効力が同等の法規の間に矛盾抵触が生じる場合は、一般に、「特別法は一般法に優先する」「後法は前法に優先する」という法原則に従って処理されることになる。

ウ 教育基本法、環境基本法など「基本法」という名称を持つ法律は、法律の形式をとってはいるものの各議院の特別多数決を経て制定される特別の法律であるから、通常の法律をもって基本法の規定を改廃することはできない。

エ 現行憲法は最高裁に対し、国会が制定した法律が憲法に適合するか否かを審査する違憲審査権を付与したが、この審査権の対象はあくまでも法律だけであるから、内閣の制定する政令や地方議会の制定する条例は違憲審査の対象にならない。

 

  ア   イ   ウ   エ

1 正   正   正   誤

2 誤   誤   誤   正

3 正   誤   正   誤

4 誤   正   誤   正

5 誤   正   誤   誤

 

正解5

ア 誤 自治体の長や行政委員会の定める法規は「命令」ではなく「規則」です。また、条例と命令を総称して「条令」とはいいません。なお、「条令」とは箇条書きになっている法令のことです。

イ 正 同等の法規の間に矛盾抵触が生じる場合「特別法は一般法に優先」し、「後法は前法に優先する」という法原則に従って処理されます。

ウ 誤 「基本法」といっても「法律」であり、国会では出席議員の過半数で決します(憲法56条2項)。特別多数決を経て制定されるわけではありません。

エ 誤 最高裁判所は、「一切の法律、命令、規則又は処分」について違憲審査権の対象とすることができます(憲法81条)。これには、内閣の制定する政令や地方議会の制定する条例が含まれていると解されているため、これらも違憲審査の対象となります

 以上により、妥当な正誤の組合せは、誤、正、誤、誤、となり、5が正解となります。

 

 

 第二次世界大戦後の日本の法制度に関する次のア~オの出来事を年代順に並べたものとして正しいものはどれか。

 

ア 行政事件訴訟特例法にかわって、新たに行政事件訴訟法が制定され、その際、無効等確認訴訟や不作為の違法確認訴訟に関する規定が新設された。

イ それまでの家事審判所と少年審判所が統合され、裁判所法の規定に基づき、家庭裁判所が創設された。

ウ 環境の保全について、基本理念を定め、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることなどを目的とする環境基本法が制定された。

エ 民法の改正により、従来の禁治産・準禁治産の制度にかわって、成年後見制度が創設された。

オ 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律が制定され、国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与する裁判員制度が導入された。

 

1 ア→エ→イ→オ→ウ

2 ア→イ→エ→ウ→オ

3 ア→イ→ウ→エ→オ

4 イ→ア→ウ→エ→オ

5 イ→エ→オ→ア→ウ

 

正解4

ア 行政事件訴訟法は、昭和37年に制定されました。

イ 家庭裁判所は、昭和24年に少年審判所と家事審判所が統合して新設されました。

ウ 環境基本法は、平成5年に制定されました。

エ 成年後見制度は、平成11年に創設され、平成12年に施行されました。

オ 裁判員制度は、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が平成16年に制定され、平成21年に施行・導入されました。

 以上により、年代順に並べると、イ→ア→ウ→エ→オとなり、4が正解となります。

 

 

 次の文章は、裁判員制度に関する最高裁判所判決の一節(一部を省略)である。空欄 ア ~ エ に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

 

 裁判は、証拠に基づいて事実を明らかにし、これに法を適用することによって、人の権利義務を最終的に確定する国の作用であり、取り分け、刑事裁判は、人の生命すら奪うことのある強大な国権の行使である。そのため、多くの近代 ア 国家において、それぞれの歴史を通じて、刑事裁判権の行使が適切に行われるよう種々の原則が確立されてきた。基本的人権の保障を重視した憲法では、特に31条から39条において、・・・適正な刑事裁判を実現するための諸原則を定めており、そのほとんどは、各国の刑事裁判の歴史を通じて確立されてきた普遍的な原理ともいうべきものである。刑事裁判を行うに当たっては、これらの諸原則が厳格に遵守されなければならず、それには高度の イ が要求される。憲法は、これらの諸原則を規定し、かつ、 ウ の原則の下に、「第6章 司法」において、裁判官の職権行使の独立と身分保障について周到な規定を設けている。こうした点を総合考慮すると、憲法は、刑事裁判の基本的な担い手として裁判官を想定していると考えられる。 

 他方、歴史的、国際的な視点から見ると、欧米諸国においては、上記のような手続の保障とともに、18世紀から20世紀前半にかけて、 ア の発展に伴い、 エ が直接司法に参加することにより裁判の エ 的基盤を強化し、その正統性を確保しようとする流れが広がり、憲法制定当時の20世紀半ばには、欧米の ア 国家の多くにおいて陪審制か参審制が採用されていた。

      (最大判平成23年11月16日刑集65巻8号1285頁)

    ア       イ       ウ     エ

1 民主主義   法的専門性   三権分立   国民

2 立憲主義   政治性     法的安定性  法曹

3 自由主義   法的専門性   三権分立   国民

4 民主主義   政治性     法的安定性  法曹

5 立憲主義   法的専門性   三権分立   国民

 

正解1

ア は、民主主義、自由主義、立憲主義のいずれかが入りますが、問題の検討の最初の段階でいずれを選択するかは、微妙です。そこで、ここは飛ばして、次の イ を見ます。

  イ には、政治性又は法的専門性が入りますが、 イ の前には「刑事裁判を行うに当たり、適正な刑事裁判を実現するための諸原則が厳格に遵守されなければならず、それには高度なもの」が要求されています。このことから「政治性」との結びつきは考えられないため「法的専門性」が入ります。

 ここで、正解は、肢1・3・5に絞られます。

 次に ウ には、三権分立又は法的安定性が入りますが、 ウ の後に「の原則の下に「第6章」において、裁判官の職権行使の独立と身分保障~」とあるため、「三権分立」が入ります。

 次に エ には、国民又は法曹が入りますが、 エ の後ろには「直接司法に参加する」とあるため、 エ には「国民」が入ります。

 

  ア は判決文に3か所登場しますが、2番目の ア の後に「の発展に伴い、 エ 国民 が直接司法に参加することにより」とあるため、「民主主義」が入ります。

 以上により肢1が正解です。

 

 

 「法」に関する用語を説明する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

 

ア 自然法に対して、国家機関による制定行為や、慣習などの経験的事実といった人為に基づいて成立した法を「実定法」という。

イ 手続法に対して、権利の発生、変更および消滅の要件など法律関係について規律する法を「実質法」という。

ウ ある特別法との関係において、当該特別法よりも適用領域がより広い法を「基本法」という。

エ 社会の法的確信を伴うに至った慣習であって、法的効力が認められているものを「社会法」という。

オ 渉外的な法律関係に適用される法として、国際私法上のルールによって指定される法を「準拠法」という。

 

1 ア・イ

2 ア・オ

3 イ・ウ

4 ウ・エ

5 エ・オ

 

正解2

ア  妥当である。実定法の記述として妥当です。実定法はある経験的事実といった人為に基づいて成立した法です。

イ  妥当でない。手続法に対して、権利の発生、変更および消滅の要件など法律関係について規律する法は実体法です。

ウ  妥当でない。ある特別法との関係において、当該特別法よりも適用領域がより広い法は一般法です。

エ  妥当でない。社会の法的確信を伴うに至った慣習であって、法的効力が認められているものは慣習法です。

オ  妥当である。準拠法の記述として妥当です。わが国では、法の適用に関する通則法が、準拠法に関する多くの規定(4条以下)を置き、国際私法に関して主な法源となっています。

 

 

 裁判の審級制度等に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

 

ア 民事訴訟および刑事訴訟のいずれにおいても、簡易裁判所が第1審の裁判所である場合は、控訴審の裁判権は地方裁判所が有し、上告審の裁判権は高等裁判所が有する。

イ 民事訴訟における控訴審の裁判は、第1審の裁判の記録に基づいて、その判断の当否を事後的に審査するもの(事後審)とされている。

ウ 刑事訴訟における控訴審の裁判は、第1審の裁判の審理とは無関係に、新たに審理をやり直すもの(覆審)とされている。

エ 上告審の裁判は、原則として法律問題を審理するもの(法律審)とされるが、刑事訴訟において原審の裁判に重大な事実誤認等がある場合には、事実問題について審理することがある。

オ 上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について、下級審の裁判所を拘束する。

1 ア・イ

2 ア・オ

3 イ・ウ

4 ウ・エ

5 エ・オ

 

正解5

ア 妥当でない。民事訴訟の場合は本肢の通りですが、刑事訴訟の場合は、簡易裁判所が第1審の裁判所である場合は、控訴審の裁判権は高等裁判所が有し、上告審の裁判権は最高裁判所が有します

イ 妥当でない。控訴審の構造として、事後審とは、原判決を対象として原審の資料だけに基づいてその当否を審査する形態をいいます。一方、続審とは、第一審の審理を基礎としつつも、控訴審でも新たな訴訟資料の提出を認めて原判決の当否を審理する形態をいいます。このうち、民事訴訟の控訴審の裁判は、続審を採用しています。

ウ 妥当でない。控訴審の構造として、事後審続審の他に、覆審があります。覆審とは、控訴審において、原審の審理とは無関係に新たに審理をやり直す手続です。刑事訴訟における控訴審の裁判は、原則として事後審が採用されています。

エ 妥当である。上告審は、法律審ですが、刑事訴訟において原審の裁判に重大な事実誤認等がある場合には、職権で事実問題について審理することがあります(刑事訴訟法411条3号)。

オ 妥当である。上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について下級審の裁判所を拘束します(裁判所法4条)。

 以上により、妥当なものの組合せはエ・オとなり、5が正解となります。

 

4月9日現在

終了レッスン数:489

総学習時間:102時間2605