千葉大学ならびに京都フォーラム/公共哲学共働研究所の宮崎
です。

 先月ご紹介させていただいた、金泰昌先生の対話集、中国編に
続き、日本編『ともに公共哲学する 日本での対話・共働・開心』が
発売されましたので、ご紹介させていただきます。

 さきに武田さんからも往復書簡の部分についてはご紹介はあり
ましたが、本書はさまざまな日本における会合で金先生が語られ
たものをまとめられたもので、入門編として、中国編以上に金公共
哲学のエッセンスがまとめられたものです。本体価格3800円と、
決してお求め安いとはいえないかとも思いますが、総ページ395頁
にも及ぶものです。

 特に第一部のはじめに収録されているものは、世古一穂さんの
お招きで開催された協働コーディネーター養成講座での対話共働
をまとめたもので、特に入門編として最適です。

 また一方で近年、金先生が特に強調しておられる「東アジア発の
公共哲学」の必要性、重要性がたびたび本書でも登場して参ります。

 サンデルの哲学、あの授業スタイル、そしてアプローチなども私は
大変貴重なものと思いますが、一方で自らの立っている伝統への
まなざしも失ってはしまっては意味がないように思います。 

 日中韓を中心とする東アジアにも、今日の私たちにとって重要な
「思想資源」にあふれています。それらを「いかして」いく金先生の
公共哲学のアプローチも本書を通して考えていただければ幸いです。
 

『ともに公共哲学する 日本での対話・共働・開心』

出版=公共するにあたって

第一部 今なぜ、ともに公共哲学するのか
1 今なぜ、日本でともに公共哲学するのか
2 東アジアにおける公共世界の共働構築をめざして
3 日中韓をむすび・つなぎ・いかす公共哲学
4「哲学する」公共哲学と「物語る」公共哲学とのあわい

第二部 ともに公共哲学する時空
1「楽学」と「恋知」の哲学対話
  志民哲学者武田康弘氏との往復書簡
2 新聞/マスメディアとNGO/NPO/ボランティアと
  公共(する)哲学

第三部 国家公務員とともに公共哲学する
1 国家公務員と哲学的構想力
2 公務員倫理と公共哲学
  哲学する国会職員荒井達夫氏との対論

第四部 東アジア発公共哲学の思想的源泉をともに探る
1 東アジアの伝統思想と東アジア発公共哲学
2 日本人の実心(まごころ)とはなにか
  「公心」・「私心」そして「公共心」との関連を問う

おわりに 
日韓併合百年 その公共哲学的意味と課題を改めて語る
「一体幻想」と「内発的心服」の思想体験

http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-010117-2.html


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