『日の光』


おてんと様のお使いが
そろって空をたちました。
みちで出会ったみなみ風、
「何しに、どこへ。」とききました。


ひとりは答えていいました。
「この『明るさ』を地にまくの、
みんながお仕事できるよう。」


ひとりはさもさもうれしそう。
「わたしはお花をさかせるの、
世界をたのしくするために」


ひとりはやさしく、おとなしく、
「わたしはきよいたましいの、
のぼるそり橋かけるのよ。」

のこったひとりはさみしそう。
「わたしは『かげ』をつくるため、
やっぱり一しょにまいります。」



みすゞの詩は本当にやさしい詩です