高校生になった。






それから私たちはそれぞれ違う道を歩んだ。






連絡先も知らなかった。






私もそれなりに恋をした。





好きな人もできた。




彼氏もできた。







でも、もしも、Dが戻ってきてくれるのなら、私は今の彼氏を捨ててでもDのところにいく。






そう友達によく話していた。






そう、高校時代ずっと忘れることができなかった。





忘れようとすることしかできなかった。











でも、高校3年生の冬、私はYと付き合い始めた。





彼の周りを気遣う優しいところ、まっすぐな性格に惹かれた。





今までの彼氏にはない感情を抱いた。






「もう私はDのことで振り返ることはないんだ。」




そう思える人だった。






そして、Dとさよならをしてから5年が経とうとしていた。

卒業式が終わって、みんな校庭で写真を撮っていた。


私も友達と写真を撮り合っていた。




そしたら、Dから私のとこにきて「こっち。」と言う感じで校舎の裏に行ったんだ。




「これでお別れなんだ。」




そんな気持ちで泣きそうだった。


いや、泣いてたのかもしれない。





そしたら、Dが学生服のボタンを私に渡しながらこう言った。












「今まで一番好きだった人だから、第一ボタンな。」
















そう言って、うちらはお別れをした。



お互い違う高校で、違う人達と過ごし、違う大学に進学して、









でも、第一ボタンは10年たった今もまだあるんだ。




こんなに特別な第一ボタンはないと思う。



きっと捨てることはこの先ないのだろう。
告白の後の卒業式までの一週間、私とDは同じ掃除当番だった。





告白まではすごく嬉しかったことだけど、その一週間はツラかったんだと思う。




卒業式を目前にして、男子たち3人は第二ボタンの話をしていた。


私たち3人はまた違う場所で違う話をしていた。




けど、話題が話題だからつい聞いてしまっていた。







「なんで二番目なのか?」


そんな話をしていた。







世間で言うのは

「心臓に一番近いから。」
って話でいたけれど、






私も知らなかったし、男子3人の中でも答えは出ていなかった。




ただ
「好きな人から卒業式にもらうもの」

その認識しかなかった。











そして、卒業式の日が来た。



この日がDとのしばらくのお別れになったんだ。