観てきました。最初の印象とは大きく違って見えました。余りにも人間関係が入り組んでいて処理しきれていないのもあるのかもしれません。
「食べる」という行為は生きる為でもあるけれど、ともすると「欲」にもなる深い行為にもなる。野菜にしても果物にしても勿論肉にしても「命」のあるものをある意味殺して体内に取り込む事になる。そしてその「人間」の生きる為の糧となる、血、肉体、骨を生み出す。
ゼンジ役、藤岡さん。こうした暗さをもった雰囲気がとてもハマってました。ふと感じた事は「ツキサジ」では感情をむき出しで体当たりの雰囲気がありました。周りの役者さんが個性的なのもあるかもしれません。「あいくち」少し優しい雰囲気で少し遊び心が合ったように観えました。キャストが違うとやはり印象も変わるなあ。
先生役、碓井さん。飄々とした雰囲気の中に凶気と愉快とを織り交ぜた不思議な役作り。面白かったです。この作品の難解さを作っている。この方の役がどっちなのかを理解していないと訳がわからないのだが、最後迄悟らせない絶妙さは見事としかいえない。初演を観たときにこの役がどっちなのかを理解出来なくて混乱したんですよね私。
ヒロコ役、浅井さん。こうした切ない役が板についてきたなあ。ある意味一番共感出来る役なんだけれども。好きな人の為に自分が一番何が出来るかを常に考えて、自分は後回し。頑張っちゃうんだよな好きな人の為に、健気で愛情が深い人。でも前に少しでも進もうとする芯の強さはある役でした。ある意味わに社での役割が見えますね。前に出ていくより支える側になってるんだろうな。
矢作役、綺子さん。ハキハキとした行動力のあるしっかりモノ人物像に観えました。カッコいい編集者ヘの道を進んでいく気がします。
まっしゅさんは、先生のファンというのがよくわかるちょっとおどおどしてるけど好きなんだなぁという雰囲気が出ている愛らしい雰囲気がかわいかったです。
キョウイチ役、山口さん。ヤラれました。周りを巻き込んでいく怒涛の芝居は観る者を釘付けにする。緩急のある父親と弟への侮蔑と羨ましいと嫉妬する程の強く激しい愛情を秘めた心の持ち主。心にある薄暗い部分を隠す為にあえて気を張り、悟らせまいとする芝居。徐々に明らかになってはいくのだが後半での芝居をまったく読ませない芝居は凄い。
川井さん、こちらは感情を抑えた余り緩急のない芝居。どちらかと言うと山口さんは隠す為に張って芝居をしているのに対して、誤魔化している。父や弟への劣等感と憧れの部分があるせいか深い愛情があるのだがそれの本心を見せないようにしている。どこかボーとして何を考えてるのかわからない雰囲気は独特の存在感がありますね。浅井さんとのやり取りは自然体で良かったなぁ。
マリ役、水野さん。悲壮感漂うけれど美しく散る儚さは凄いなぁ。本当に魅せられました。ゼンジに対する秘めた情熱ともいえる愛情。この人のモノになりたいという少しいびつな想い。舞台での存在感は凄いなぁ。ゼンジの腕の中で果てるシーンは壮絶で本当にキレイでした。
かわちさん。観ていて思ったのは真っ直ぐな情熱。凄く大人っぽい雰囲気はあったのだけれども真っ直ぐ見つめる彼女の眼差しに純粋さを感じました。ゼンジの腕の中で果てるシーンは藤岡さんの表情も優しかったし、やっと愛しい人を苦しさから開放出来る事からくる穏やかな時間があったように観えました。かわちさんは大人っぽいけれどその中にかわいさというひたむきな想いがあったように観えました。
あかね役、坂本さん。今時の前の向きな女のコ。ひたむきな真っ直ぐな女のコ。強がっていても弱さがあってもがいてる姿は健気だなぁ。舞台に立つ雰囲気が凄くいいんだよな。
青木さん、かわいいなぁ。本当に真っ直ぐにぶつかっていく姿も本当にかわいい、癒やされます。でも切ない芝居はしっかりしていて上手いなぁ。
リサ役、和久田さん。女王さま気質の強気な女のコでも弱さもあって本当にかわいさとカッコ良さが両立していて観ていて惹かれました。
みやまさん、こっちは強気なんだけど、弱さもあって、それ以上に出るガッキっぽさの雰囲気がとても楽しませて頂きましたし面白かったです。
ノブ役、織田さん。切れ味バツグンの振り切れ具合。面白かったです。坂本さんと特に和久田さんとの掛け合いのテンポの良さは織田さんのキレがあるからこその気もします。おかしいなぁ、初めて彼の芝居を観た時はかなりの好青年だったはずなのにいつの間にキレ味のいい変幻自在な役者さんになったんだろう、凄いな。
山下さん、こちらは多分素は真面目な方なのかなぁ。でも少しテンポのズレた感はこれはこれで面白かったです。独特な空気感を持っている人だなぁ。前説のワタワタ加減も面白かったです。
下田役、濱崎さん。今回のツボでした。何だこの得体のしれない緩急のつけたオバちゃんぶりは。観ていて笑わせて頂きました。面白かったです。
大萱さん、こちらはヘタすると事故になりかねない、まるで体当たりをくらったような衝撃のある芝居。戸惑うけどビックリする芝居、面白いですけれど。
皆様お疲れ様でした。長々と失礼いたしました。では次会えるのを楽しみにしております。