
入ってからの舞台のセット好きでした。音楽も好きだなぁ。作品として拝見するのは2作品目。世界観と「生」と「死」、「倫理観」と「正義感」、「表」と「裏」複雑に絡みあい互いの距離感を保ちつつ、それが崩れた時の各々の「人間性」が浮き上がってきた時。何を思い、行動するかで本性が現れる。
砂田役、菅沼さん。正直一番捉えるのが難しく物語が進むにつれ理解していく役所。この役の自分の中での「正義感」というか行動は頭では理解できるが、戸惑う。「だけど・・」「わかるけど・・」という思いがどうしても私の中では拭えない。その場にたった時自分は「死」を望むかもしれません。家族なら本人が望むのであれば「やむを得ず」選ぶのかも。難しい役所をまったく掴ませずに演じられていて怖いのだけれど凄みを感じられて上手いなぁと思います。私の中では割りと軽いイメージがついていたので。凄かったです。
栄、瑞穂役、宮出さん。双子ということでどう演じられるのだろうと思ってました。さすがです。瑞穂としてのカッコよさ、潔さ。栄としての弱さ。お互いに無い物ねだりなんだろうな。近くにいるからこその嫉妬。でも決して二人共に強い女性ではけしてなく、「自分」を見てほしい、理解してほしいという切ない思いを抱えているだけ。真逆の二役を演じるのは上手いなぁと思い観てました。最後までわからなかったですよ。栄と瑞穂が入れ変わってたとは。多分表には出ていたんだろうけれどその展開にやられましたし、悟らせないのは上手いなぁ。
茶屋役、浅井さん。芝居を観に行くキッカケになった役者さん。正直驚きました。まずは愛人役!?「はいっ??ホントに?」しかも相手が土方さん。マジで!?というのが第一印象。クールというかドライな印象。しっかりしてるというか冷静に物事を判断して的確にこなしていく役所。でもそれは「自分」を見てほしいという欲求の裏返し。自分を「特別」だと思われたいという悲しい思いが底にあるから、満たされたい、愛されたいという切ない思いの現れ。特に女性は「自分」だけを見てほしいという思いは強いのかもしれません、わかるな。「特別」って薬にもなるし毒にもなるんですよね。
いつもの彼女とは違うダークな姿が観れて新鮮でしたし、引き込まれました。
伝馬役、篠塚さん。よこしまブロッコリーさんではじめてお芝居を拝見した役者さん。この作品で印象がもっとも変わった役者さん。前半と後半の印象の変化はとにかく凄かった。舞台から引っ込む時の表情で何かを企む人なのかなとは思ってはいたけれど。表情の変化、台詞の言い回し、土方さんに詰めより、追い詰める姿の迫力といい。どれをとっても素晴らしく圧倒されました。「自分」を認めてほしいというただの欲求だけで突き進むのだけれど、起きることに戸惑いながらも対処していく姿はカッコいいなとも思いました。印象に強く残った役者さんでした。また別のお芝居も観たいです。
志賀役、土方さん。またいつもとは違う一面を観れた役者さん。どちらかというとあまりダーティな印象のなかった役者さんだったので。面白いか、カッコいいか。紳士の印象が強かったので。ある意味この作品の中では一番欲望にまみれた役所なのかな。「地位」「名誉」「欲望」にもっとも正直な役。難しい役所ですよね。最初はそういう印象もなくどちらかというと「長」としての役割をこなすリーダーだと思っていたのだが。篠塚さんと同じく前半と後半の印象がまったく違う役所。後半になるにつれ人間の弱さが浮き彫りになっていく。「欲」に関してもこの役も「認められたい」という思いに縛られ過ぎて身動きが自分自身で出来なくしてしまっているのかも。「こうでなくては」とか「こうあるべき」というのも悲しい思いからなのかもしれません。上手いなぁとも思いながら拝見してはいたのだけれど。
作品を通して思っていたのはTwitterでも呟きましたが女性二人の守ってあげたくなる健気さと、それを上回る男性三人の迫力のある演技に引きずり込まれました。重たいけど程よい緊張感のある芝居は観ていて面白かったですし、考えさせられたけど楽しめました。
ではここらで締めたいと思います、皆様お疲れ様でした。
