心不全とは 簡単に 書いてみます | リハビリに注ぐ少々のスパイス

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臨床での疑問をもとに、色々なことを書いています。
教育にも興味があるので、少しでも多くのセラピストのためになる記事を書きたいと思っています。

心不全

 

僕の専門である循環器の中でも最も興味のある分野です。

 

もう何十回とセミナーで心不全の話はしてきました。

 

でも、きっと心不全って伝わりにくいと思うので、今回はシンプルに書きたいと思います(多分)

 

Googleで『心不全』っていれたら、下に

 

心不全とは 簡単に

 

って出てきた。笑

 

きっと、みんな簡単に説明してほしいんですよ。

で、実際に日本循環器学会が出している心不全のガイドラインでも一般の方向けの定義ができたのをご存知でしょうか?

 

『心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。』

 

ってのが定義です。

 

分かりやすいですね、シンプルだし、でも結構怖いことも書いている。

 

要するに、日循としてもここんとこを一般市民の皆さんに知ってもらいたいんですよ。

 

だんだん悪くなる

 

生命を縮める病気

 

これがキーワードです。

 

もちろん、我々医療従事者は知っていることが前提、知らなかったが絶対に覚えておいてください!

 

生命予後について報告はたくさんあって、日本では大規模臨床試験が少ないですが、5年生存率はガンの中に入れても中~上位に入るくらい悪いんです。

 

むしろ、がんはこれからどんどん生存率が上がってくる可能性が高い中、心不全は特効薬はないし、むしろ患者は増加の一途をたどると予想されています。

 

病気は治せるけど、心不全は治せません。

 

ということは、心不全は病気ではない?

 

はい、そういうことです、心不全は病気というより症候群として捉えた方が理解しやすい。

 

はっきりとした原因があるわけではない以上、心不全は完治は難しい。

 

では、医療従事者向けにもう少し詳しく説明すると、心不全のおおもと、諸悪の根源はいったい何でしょうか?

 

心不全=心臓が悪い

 

くらいにしか理解していない人が多い。

 

なんかよくわからないけど、怖いな。運動は軽めにしよう。みたいな感じ。

 

これは、なんかよくわからないから怖がっているだけであり、しっかり理解すれば怖くないんです(リスクはあります)。

 

個人的には変な不整脈の方が嫌ですね。

 

心不全は薬物療法で症状を抑えていれば、一見普通の方と変わりありません。

つまり、薬によって元気に見えているということ。

 

だから、まずはどういう薬をどれくらい使っているのか、しっかり確認しましょう!

 

そして、心不全は管理すればある程度安定した生活が送れるものです、無意味な活動制限はせず、その方に適切な生活を提供してあげてください。

 

さて、心不全について少し理解できてきたでしょうか?

 

循環器系の最大の役割は、血液に含まれる酸素を全身に送り届けることであるとされています。

 

心不全の状態というのは、この機能を果たせなくなってきている状態です。

 

でも、本当に果たせなくなってきたら全身の臓器が破綻してしまいます。

困ります、死んじゃいます。

 

だから、そうならないように無理をするんです。

 

無理をすると悲鳴をあげる、それが心不全の症状です。

 

無理というのは、血液を全身に送ろうとするということ。

 

どうやるかというと、基本的には血液を心臓にたくさん入れて、たくさん出します。

 

スターリンの法則

 

ってやつがあります、知ってますよね?

 

どうやってたくらん心臓に血液を入れるかというと、おしっこを出すのをやめて、血液量を増やす方法があります。

だから、浮腫みます。

でも、浮腫むのは仕方ない、臓器が死ぬよりましです。

身体はチームワークが抜群です、生命を維持するためなら多少の犠牲はいとわない。

 

でも、自分としてはしんどくなるし浮腫んできたらおかしい!って思って病院に行きます。

 

ADHFですね。急性増悪。

 

こういう方が大半だと思います。

 

心臓が循環器系としての役割を果たすために無理した結果が心不全の症状として現れてきたとき、我々心不全と判断します。

 

はい、これでだいぶ心不全について詳しくなりましたね。笑

 

質問下さい、お待ちしております!