最近あった相談を例に、基本的ながん治療をご紹介します。
5年前にがんの治療を、手術・放射線治療・抗がん剤で行った若い女性からの相談。
手術後の経過は良好でしたが、最近の検査で肺への小さな転移が見つかったそうです。
その際、主治医からステージ4だと告げられ、パニックになったそうですが、冷静さを取り戻し、私への相談となりました。
手術・放射線治療・抗がん剤は、がん治療の三大療法と言われています。
手術や放射線治療(粒子線治療も含む)は、局所のがんに有効な治療方法です。
一方、抗がん剤は全身に広がったがん患者さんに用います。
治療開始前から、がんが全身に広がっていることが把握できている場合、
基本的には、抗がん剤の治療を行い、全身的な広が消えててから、手術や放射線治療を行います。
局所のがんが周囲に浸潤し、全身にがんの広がりが見えない場合は、三大療法を総動員して治療を行います。
なぜなら、このような場合、目に見えないがんが全身に広がっている可能性が非常に高いからです。
抗がん剤治療をすることによって、目に見えないがんをたたくことが出来ます。
がんが人間ドックや定期検診、経過観察で見つかる場合、大抵は出来たての小さながんで、局所に限局しています。
そのような場合、手術や粒子線治療は非常に有効です。
この女性の場合、数個の小さながんだったので、抗がん剤治療を勧めました。
まだまだ若く、前向きに治療を受けるポジティブさを持ち合わせていたので、きっと病を克服できることでしょう。
がんの治療は、日進月歩です。
あらゆるがんに対して研究が進み、治療法が確立されてきています。
その結果、がんの治癒率は年々高くなってきています。
ただし、治療法の組み合わせ方に対しては、様々な考え方があります。
各方面の専門家(手術の専門家、放射線の専門家、抗がん剤の専門家など)は、自ら行う治療方法に自信を持ち、魅力を感じ、時には公平な考え方が出来ないこともあります。
そのため、治療を受ける側が、それぞれの専門家のセカンドオピニオンを受け、総合的に判断することが大切です。