ポジティブ・オフの後、講演をしすぎて声が枯れてしまいました。
ひどい声でも多くの人が熱心に聞いてくれたことに、本当に感謝しています。
他人が咳をしている時には、「少しは我慢できないものか。」「ティッシュペーパーを使い過ぎではないか。」と心の中で思っていましたが、自分がその立場になったら、本当に咳は我慢できませんし、ティッシュペーパーもいっぱい使ってしまいます。
小さな病気の体験で、改めて患者さんの大変さがわかりました。
そして、患者さんの訴えをくみとり、症状の軽減に全力を尽くす必要性を再認識しました。
最近あった、高齢者の方のセカンドオピニオンの話です。
地域の検診で進行がんが見つかったこの方には、まだ何も自覚症状がありません。
それまで がん のことなど考えたことも無かったのですが、知ってしまったその日から、がん のことばかりを考え続けていたようです。
様々な検査の結果より、この方の場合、粒子線治療や手術は適応外であると判断しました。高齢であるが故、化学療法といった体力のいる治療も難しいでしょう。
この方には、「免疫療法」か「症状が出るまで何もしない」のが一番良いと感じました。
高齢者の方には、自由に使える時間がそんなに多く残されていません。
セカンドオピニオンまでの半年間、その自由な時間を、病気を考えることばかりに費やしていたようです。
回答は、次のようにしました。
1) 「免疫療法」か「何もしない」のが良いのではないか
2) 自分に残された自由な時間を楽しんで欲しい
この方とは、セカンドオピニオンで様々なお話しをしました。
ものすごく真面目な方で、多分、これからも がん のことを考え続けていく気がします。
この方は高齢者で、症状もないのですから、検診をしていなければがんも見つからず、知らずに今までの数ヶ月を機嫌良く生活できていたかもしれません。
超高齢者時代の今日では、症状のない場合、検診などを受けない方が幸せである場合もあるようです。