がんの治療は、選択肢がほとんどない中から選んだ治療法で、医師と患者さんやその家族が、励ましあったり、喜びあったりしながら必死に行われていました。
その姿はまるで、大航海時代に船長と乗組員が一生懸命に港を目指して航海している様であると感じていました。
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9月上旬、私は講演のために信州を訪れていました。
列車から山を見ている時、ふと「近年のがん治療は、登山に似ているなあ」と感じました。
登山で頂上にたどり着く為には、山路を登る必要があります。
既に作られた登山道かもしれませんし、道なき道かもしれない。車道かもしれません。
多くの人は、山頂を目指す前にどの登山道を通るのかを考えます。
高齢者やハンデを抱える人にとって、距離は短いけれど急勾配な道、草木が茂っている道なき道は避けた方が無難かもしれません。
そして、自分自身で自分にあった道を選択して頂上を目指します。
既に述べたように、がん治療も登山と似ています。
治療前に治療方法を考えることは、登山道を選ぶのと同じです。
よく考えて、自分にあった治療方法を選択して下さい。
もちろんですが、登山とは違う点もあります。
それは「登る道を間違えてしまっても途中で引き返す事は出来ない。」と言う点です。
手術で切ってしまった がんを含む臓器の一部は元には戻りません。
粒子線治療を開始すれば、照射予定にそって最後まで照射し続けなければなりません。
その為、登山道を選ぶよりも慎重に考えなければいけません。
以前は航海で、今は登山であると言いました。
それを言い換えれば、それだけ治療法の幅が広がったと言えるかもしれません。
まずは、良い時代に生まれた事に感謝しましょう。
当センターでは、数ある治療法の一つ「粒子線」と言う大きな帆を張って、
皆さんの乗船をお待ちしています。
![[粒子線治療][菱川良夫] センター長のこばなし ~がんから学ぶこと~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110924/13/ptrc/af/d5/j/t02200293_0600080011504133080.jpg?caw=800)
入り口から見た青空
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