まゆとの暮らしは快適だった。

着替えや化粧品など優子に必要なものはすべて
センスのいいものをチョイスしてくれていたし、
広い屋敷やその庭を散歩するだけでも
優子は異次元に迷い込んでしまったみたいで
そんな感覚を楽しいと思えるようになってきた。


まゆの作る料理もおいしくて優子を饒舌にさせた。
顔や体の痣もかなり淡くなっているし
心の傷も、同じ痛みをかかえるまゆに
毎晩寄り添ってもらって聞いてもらうだけでも
日に日に、柔らかくなっていった。




そして、明日は優子が帰宅する日。


その夜、まゆは優子の好物をたくさん作った。
ワインをあけて、ソファでゆったりくつろぎながら
優子はまゆが柔らかい声で続ける
過去の恋の話などをうっとりと聞いていた。


なんて素敵な人なんだろう。
優子はこんな大人の女になりたいと思いながら
ワインを少しずつ、飲んだ。




「…優子ちゃん…」

目を閉じて聞くまゆのささやくような低い声が心地いい。


「優子ちゃん・・私を見て…?」

優子がぼんやりと目を開けるとまゆの唇が目の前にあり…
優子の唇を柔らかくふさいだ。




「!」

いくら心地よくても同性の唇にはやはり嫌悪感を感じる。

優子はあわてて唇を離そうとしたが、その時にはもう薬を飲まされていた。


「ま、…まゆさん?」

目を見開いて口を押さえている優子に、まゆはにっこり笑っていった。


「優子ちゃん。実はお楽しみはこれからなのよね。。」