法化社会 議論の脱線?
朝日新聞紙上で、「法化社会のゆくえ―法ですべてを解決できるか」という記事が出ていた。書いてある中身について、私は論評するつもりもその力量もない。その通り、と思う。しかし、なんだか違和感を覚える。その違和感の正体は何なのだろうか。
私の不確かな記憶(と若干の偏見)によれば、90年代からアメリカの対日要求として、市場開放・規制緩和、つまり、アメリカ企業を日本でもっと活動させろ、という圧力があったと思う。正確には、「アメリカの対日要求」というより、アメリカ巨大企業の声を代弁するアメリカ政治家による対日要求、ということになろうか。もちろん、規制緩和は日本の企業にとっても有利な側面があるから、その圧力を後押しすることになる。
しかし、規制緩和規制緩和と言い続けるだけでは、国民の反発を招くことは目に見えている。そこで、規制緩和要求のいわば「いいわけ」として、「規制緩和の代わりに、それによって頻発する法的紛争の解決についても法整備しましょう」ということがうたわれる。そこから始まったのが、日本の一連の「司法制度改革」である。これからは規制緩和で紛争が増えるので、法律によって紛争を解決することが大事になります!法化社会の到来です!と宣伝されることになる。
さてそうして、「司法制度改革」「法化社会」というキーワードに、多くの人が群がることになる。紛争が多発して儲かるのは弁護士だから、法化社会を喧伝する。学生集めに懸命の大学は、競って法科大学院を乱立させる。法学者は法学者で、「法治主義の時代が来た」と満足げである…。
そのような「法化社会」の肯定的イメージに、注意を喚起するのが、冒頭で掲げた朝日新聞の記事である。その要点は、私なりに解釈すれば、法化社会はよいことばかりではない、紛争当事者の心労は大きいし、本来、紛争はお互いの納得によって解決するのが望ましい…というわけである。
しかし!ここでちょっと待ってほしいと私は思う。もともとの規制緩和論の「いいわけ=紛争解決制度の整備=法化社会論」が、勝手に一人歩きしてしまってはいないか。つまり、もともと「いいわけ」発祥の議論が、次の議論を生み、その議論に参加して得のある人たちが群がり、さらにそれに反論する人が群がる…なんだか、議論が脱線しているように見えてならないのである。「法化社会」に異を唱える前に、その源泉の議論に遡らないと、受け手は混乱するばかりではないか。「いいわけ」の土俵に乗ってはいけない。
このような「脱線議論」、ほかのテーマにおいてもいろいろありそうだ。
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私の不確かな記憶(と若干の偏見)によれば、90年代からアメリカの対日要求として、市場開放・規制緩和、つまり、アメリカ企業を日本でもっと活動させろ、という圧力があったと思う。正確には、「アメリカの対日要求」というより、アメリカ巨大企業の声を代弁するアメリカ政治家による対日要求、ということになろうか。もちろん、規制緩和は日本の企業にとっても有利な側面があるから、その圧力を後押しすることになる。
しかし、規制緩和規制緩和と言い続けるだけでは、国民の反発を招くことは目に見えている。そこで、規制緩和要求のいわば「いいわけ」として、「規制緩和の代わりに、それによって頻発する法的紛争の解決についても法整備しましょう」ということがうたわれる。そこから始まったのが、日本の一連の「司法制度改革」である。これからは規制緩和で紛争が増えるので、法律によって紛争を解決することが大事になります!法化社会の到来です!と宣伝されることになる。
さてそうして、「司法制度改革」「法化社会」というキーワードに、多くの人が群がることになる。紛争が多発して儲かるのは弁護士だから、法化社会を喧伝する。学生集めに懸命の大学は、競って法科大学院を乱立させる。法学者は法学者で、「法治主義の時代が来た」と満足げである…。
そのような「法化社会」の肯定的イメージに、注意を喚起するのが、冒頭で掲げた朝日新聞の記事である。その要点は、私なりに解釈すれば、法化社会はよいことばかりではない、紛争当事者の心労は大きいし、本来、紛争はお互いの納得によって解決するのが望ましい…というわけである。
しかし!ここでちょっと待ってほしいと私は思う。もともとの規制緩和論の「いいわけ=紛争解決制度の整備=法化社会論」が、勝手に一人歩きしてしまってはいないか。つまり、もともと「いいわけ」発祥の議論が、次の議論を生み、その議論に参加して得のある人たちが群がり、さらにそれに反論する人が群がる…なんだか、議論が脱線しているように見えてならないのである。「法化社会」に異を唱える前に、その源泉の議論に遡らないと、受け手は混乱するばかりではないか。「いいわけ」の土俵に乗ってはいけない。
このような「脱線議論」、ほかのテーマにおいてもいろいろありそうだ。
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