日産の誤解・新聞記者の誤解? | シイタケのブログ

日産の誤解・新聞記者の誤解?

 もう3ヶ月ほど前の新聞記事のことで恐縮だが、「日産、事務系派遣社員を直接雇用 でも最長2年11カ月」という報道があった。一般事務系の仕事であるにもかかわらず専門業務と偽装して、派遣の期間制限を免れていたところ、労働局の指導により、直接雇用に切り替えるのだそうである。日産以外でも、このような契約変更は行われているかもしれない。

 偽装派遣を正して直接雇用にするのは当然のことだが、だからといって当該の労働者の雇用環境がよくなるというわけではない。日産は、派遣会社に払う手数料(中間搾取分)が減って、むしろうれしいのではないか。他方、労働者のほうは、派遣でも直接雇用でもいつ首切りにあうかわからないのであるから、雇用は不安定なままである。直接雇用といっても有期労働契約だからである。

 この新聞記事で気になったのは、「判例などから雇い止めをしづらくなる3年を超えないよう、2年11ヶ月まで更新する」という一文である。たしかに「雇止め法理」は重要だし、よく知られていることであるが、3年を超えると雇止め法理が働き、超えなければ働かないというような話は、私は聞いたことがない。判例は、実質的に無期契約と同じような働き方をしている、あるいは契約更新を何度も繰り返して、労働者に雇用継続の期待を抱かせているような場合に、雇止めの効力を否定しているのであり、継続雇用年数は考慮要素のひとつであるかもしれないが、「3年」が何か重要な基準であるわけではないのである。たしかトヨタの期間工でも、このような3年未満の契約形態をとっていた。労働基準法で有期雇用の期間制限は3年となったので、このことから誤解を生じているのであろうか。労働基準法の期間制限は、労働者の長期拘束を禁止するための制限であり、雇用の安定のための規定ではない。日産の広報担当者が話したことをそのまま書いているこの記事の記者も、誤解しているのではないか。

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