協同労働法など不要
「協同労働法」というものが話題になっている。報道によれば、超党派の議員連盟が先日、法案の原案をまとめたとのことである。法律の趣旨は、働く人が出資して協同組合を作り、ともに経営する「協同労働」のしくみの法制化だという。最初この考えを見聞きしたときは、「生協みたいなものか」とも思った。あるいは、いわゆる「資本家の搾取」のない、本当の労働者のための組織を目指すものかとも期待してみた。さらには、この法律が成立すれば、待遇に不満をもつ労働者が集団で離職し、経営者と離れたところで新組織を立ち上げて事業を起こし、利益を平等に分け合うというようなドラマティックな展開もあり得るのか、と夢想してみた。
しかしよくよく冷静になって考えてみれば、非営利で事業をしたいなら公益法人やNPO法制がすでにあり、営利事業ならば、設立が容易になった会社制度があるのであり、それ以外に何が必要なのか、という話である。それどころか、今でもNPOでみられることだが、新たな法人制度を作ることにより、暴力団などブラック組織がこの制度を悪用するおそれもある。労働者から出資金を巻き上げてさらに低賃金で働かせるような組織が出ないとも限らない。ブラック組織でなくとも、地方自治体などのアウトソーシングの安上がりな受け皿として、協同組合が悪用される恐れもある。それに、協同組合の創立者は、それなりの志とリーダーシップをもって事業を立ち上げるかも知れないが、年月を経て創業者がいなくなったとき、あるいは内部で紛争が起きたときなど、ガバナンスがきっちり行われるか疑わしい。はたして現行制度以上に、新たな団体を制度化する意味があるのだろうか。もちろん話題になり一種のブームが起きるかもしれないが、それ以上の効果はなく、「あってもなくても同じ」なのではないか。
協同労働者の構成員が労働者にあたるか、つまり労働法制が適用されるかが問題となるが、協同労働の法制化により、これらが整理されるという。労働法制の脱法行為を防ぐため、労働法規が全面的に適用されるべきだが、そうすると通常の雇用関係とどう違うのかということになる。というわけで結局、協同労働法の意義がよくわからないのである。
国会議員の人気取りが目的なのか知らないが、現状の数々の労働問題を正面から議論することなく、「協同労働」のような妙な概念を持ち出していじくりまわすのは無意味だと私は思う。その証拠に、協同労働法制定を目指す超党派の国会議員は、自民党から共産党まで揃っており、現状の労働問題についての見解はバラバラではないか。こんな国会議員の間で実質的に意義のある立法ができるのか。「余計なことしなくていいよ、国会議員はもっとほかにやることあるでしょ」が私の本音である。
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しかしよくよく冷静になって考えてみれば、非営利で事業をしたいなら公益法人やNPO法制がすでにあり、営利事業ならば、設立が容易になった会社制度があるのであり、それ以外に何が必要なのか、という話である。それどころか、今でもNPOでみられることだが、新たな法人制度を作ることにより、暴力団などブラック組織がこの制度を悪用するおそれもある。労働者から出資金を巻き上げてさらに低賃金で働かせるような組織が出ないとも限らない。ブラック組織でなくとも、地方自治体などのアウトソーシングの安上がりな受け皿として、協同組合が悪用される恐れもある。それに、協同組合の創立者は、それなりの志とリーダーシップをもって事業を立ち上げるかも知れないが、年月を経て創業者がいなくなったとき、あるいは内部で紛争が起きたときなど、ガバナンスがきっちり行われるか疑わしい。はたして現行制度以上に、新たな団体を制度化する意味があるのだろうか。もちろん話題になり一種のブームが起きるかもしれないが、それ以上の効果はなく、「あってもなくても同じ」なのではないか。
協同労働者の構成員が労働者にあたるか、つまり労働法制が適用されるかが問題となるが、協同労働の法制化により、これらが整理されるという。労働法制の脱法行為を防ぐため、労働法規が全面的に適用されるべきだが、そうすると通常の雇用関係とどう違うのかということになる。というわけで結局、協同労働法の意義がよくわからないのである。
国会議員の人気取りが目的なのか知らないが、現状の数々の労働問題を正面から議論することなく、「協同労働」のような妙な概念を持ち出していじくりまわすのは無意味だと私は思う。その証拠に、協同労働法制定を目指す超党派の国会議員は、自民党から共産党まで揃っており、現状の労働問題についての見解はバラバラではないか。こんな国会議員の間で実質的に意義のある立法ができるのか。「余計なことしなくていいよ、国会議員はもっとほかにやることあるでしょ」が私の本音である。
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