「外人」を排除して得られるものは一体? | シイタケのブログ

「外人」を排除して得られるものは一体?

 いわゆる「子ども手当て法案」が国会で審議入りしたそうで、自民党の丸川珠代議員が質問に立っているのをテレビで見た。彼女のホームページを興味本位でのぞいてみると「日本人でよかった。」とい文字がトップに出ていて、ますます国粋主義的傾向を表に出してきているようだ。国会の質問でも、「あくどい中国人がこども手当ての不正受給をするおそれがある」みたいなことを言っていた。外国人に限らず、どんな制度でも、それを悪用しようと考える者は必ず出てくるわけで、そんな極めて少数派の問題のために制度そのものをつぶそうとする議論の立て方はおかしい。脱税者が多くなるから所得税を廃止しましょうといっているようなものである。不正受給が多いから生活保護を廃止しましょうといっているのと同じ。

 もちろん私は、子ども手当てに賛成しているわけではない。富裕層に現金を与える必要はないし、そもそも本当に救済しなければならないのは、生活が不安定なために子どもすらもてない人々であるはずだからだ。現金をばらまく余裕があるのなら、公立保育園を増やすべきだし、そもそも教育予算をうんと増額して、大学進学費用の軽減などに当てるべきである。私立学校や進学塾がはびこるような社会=一部の人しか自己の能力を高めることができない社会はよろしくないのである。

 丸川議員のように、最近の自民党は民主党を攻撃するネタに困っているのか、「外国人排斥」を訴えて有権者の心をくすぐりたいかのようである。外国人参政権の話が出れば「朝鮮人が日本を支配するようになったらどうする」と恐怖キャンペーンをはり、高校無償化の話が出れば、「朝鮮学校は除外せよ」という。もともと財界の意向に沿って外国人労働者を受け入れ、賃金ダンピングを生じさせようとしていたのは自民党なのであるが、最近では外国人を排斥するポーズを見せることで、日本人の有権者にアピールしたいようである。とりわけ朝鮮学校に対する無償化の除外は、罪が大きい。朝鮮学校に通っている学生も普段は日本人と同じように暮らしているわけで、将来日本社会を支える一員なのである。無償化を除外されることで前途有望な若い心に「日本人を恨む気持ち」が小さく根付くことであろう。この小さな気持ちは、今後何十年と続くわけである。いわゆる対テロ戦争と同じ。無償化除外は、無用な恨みの連鎖をもたらすだけ。百害あって一利なしである。

本記事に興味をもって下さった方に、クリック1回お願いします
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
(ブログ人気投票)