労働者派遣法は即刻廃止
トヨタが生産調整のため、工場の派遣労働者数百名を契約打ち切りにするという。そしてまた本格工場稼動の目処が立てば契約を結ぶという。なんともまあ身勝手な、労働者の人格を無視した公序良俗に反する行為だと思う。通常の労働者であれば会社都合の休業の場合は給料の保証もあるが、派遣労働者の場合はそれもないのであろうか。契約を打ち切られた労働者は今後日々の糧をどのように求めるのであろうか。トヨタの株主や経営者にとってみれば、派遣労働者はクルマの部品のひとつと同じだ。必要になれば必要な数だけ調達する。こんな非道が許されてよいはずがない。最近になって日雇い派遣が取りざたされているが、問題は日雇い派遣だけではない。通常の派遣労働者であっても常に生活不安を抱えているのである。派遣の世界は今や無法地帯である。派遣期間の制限についても、専門職という名目ですり抜ける。あるいは制限期間満了間際になったら名目上職種を変えて再契約する。さらには制限期間満了後に一時直接雇用(アルバイト)にして、その後再び派遣契約を結ぶ。特定の職務で派遣されているのにお茶くみからコピーから雑事までさせる。まわりの派遣労働者をみるがよい。どうして期間制限があるはずなのにずっと派遣の身分で会社に来ているのか? 要するに労働法の保護のないまったく便利な人手として好き勝手されているのが現状なのである。このような脱法行為は派遣会社自らが、顧客の会社に指南しているに違いない。こんなことになるのは派遣法の規制が大緩和されたときからわかっていたはずだ。そもそも派遣業は人格を売り買いする下道な商売であるから、労働基準法6条(中間搾取の排除)という大原則に従って、即刻禁止すべきである。百歩譲って、少なくとも登録型派遣は禁止すべきである。派遣業がはびこれば、労働によって生み出された価値が、働かない者の懐に流れる。派遣労働者も自分の労務を切り売りしているだけであるから、向上心も能力も育たない。このような社会は健全でなく、将来性もない。憲法25条(生存権の保障)を損なうような政策はとってはならない。どうしてもというなら憲法25条を改正してからにしてもらいたい(とても国民の同意は得られないと思うが)。
今では「専ら派遣」も取りざたされている。専ら派遣とは要するに会社が子会社を作るなどして派遣業をやらせ、集めた派遣労働者を母体の会社で働かせるというものである。正社員の置き換えと、労働法の潜脱をねらった悪質行為である。もともと、専ら派遣は派遣法で禁止されているのだが、ゆるゆるな運用で野放しになっているのが現状である。腹立たしいのは、たとえばKDDIや東芝など大企業の子会社の派遣業者が、「うちの会社の派遣先は○○(親会社の名前)が多いので安心です」のように「専ら派遣」の現状自体を売りにしているフシがあるところである。このような現状を見過ごすわけにはいかないだろう。直ちに派遣業許可を取り消すべきだ。
派遣業を大幅規制緩和して太らせた竹中平蔵大臣は議員を辞めた後、派遣業者パソナの役員にまんまと就任した。経済の自由化やら経済の活性化やらうまいことを並べる連中が、結局は自分の利権確保のために躍起であることの象徴だ。雇用不安を抱える多くの派遣労働者が、その怒りをどこへぶつければよいのかわからないのは不幸なことだと思う。
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