労働契約法の修正箇所の検討4 | シイタケのブログ

労働契約法の修正箇所の検討4

【原案】(労働者の安全への配慮)第五条 使用者は、労働契約により、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

【連合の見解】「使用者は労働契約により、(略)必要な配慮をするものとする」となっているが、この記述では労働契約で安全配慮義務を規定していない限りは安全配慮義務がないこととなってしまい、判例法理を後退させることとなる。

【修正案】第五条中「より」を「伴い」に改める。

【私のコメント】これは私には想定もできなかった。「により」が「に伴い」になるだけで、これだけの意味が違ってくるとは! とはいえ、私はいまだ少し理解できないでいる。はたして本当にその文言の変更で劇的な意味の違いが出るものなのだろうか? 原案の「労働契約により」であっても、とにかくどんな労働契約でも労働契約さえ交わせば自動発生的に、使用者は安全配慮義務を負う、と解することが可能なのではないか? 「労働契約により」というのは、労働契約の個々の内容により、という意味ではないはずだろう。もし連合のいうように、労働契約に安全配慮義務を規定していない限り使用者は安全配慮義務を負わないことになってしまうとすれば、それはとんでもない公序良俗違反の条文だということになり、まさかいくらなんでも厚生労働省がそんな条文を作るはずはないだろう。もし本当に連合のいうとおりだとすれば、最低でも2項で「労働契約には安全配慮義務を盛り込むよう努力しなければならない」ぐらいにはするだろう。国会の審議でも労働契約法は判例法理を明文化する意味はあっても、判例法理を後退させる意図はないとされていたはずだから、雇用関係(労働契約関係)に入れば自動的に使用者に安全配慮義務が生じるはずである。この条文は判例法理を明文化しただけだと信じたい。それは「より」であっても「伴い」であっても同じだろう。

本記事に興味をもって下さった方に、クリック1回お願いします(ブログ人気投票)
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ