労働契約法の修正箇所の検討3 | シイタケのブログ

労働契約法の修正箇所の検討3

【原案】(労働契約の内容の理解の促進)第四条
1 使用者は、労働者に提示する労働条件及び締結し、又は変更した後の労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。
2 労働者及び使用者は、労働契約の内容について、できる限り書面により確認するものとする。

【連合の見解】変更後の労働契約について労働者の理解を深めればよく、労働者が理解していなくても変更できることとなってしまう。

【修正案】第四条第一項中「締結し、又は変更した後の」を削り、同条第二項中「内容」の下に「(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)」を加える。

【私のコメント】連合は、労働契約と就業規則は違う、ということを徹底したいらしい。労働契約の締結・変更は「後から」労働者に理解させるのではなくて、締結・変更の時点で労働者が(使用者と対等な当事者として)理解していなければならないのがスジ、ということか。しかし原案をよく読めば、「労働条件」とある。これは労働契約締結・変更(←重要)「前」の段階と解され、結局、「締結・変更前に使用者が提示した労働条件」「締結・変更した後の労働契約の内容」の2つについて、労働者に理解させなければならないということである。前者は契約なんだから当事者の合意原則からして当たり前、後者は、それでも雇用実態として労働契約締結後も、労働契約の内容が労働者にきっちり周知されていないことが多いことから、指導的意味が含まれているのだと思う。つまり原文でも、変更される労働条件について労働者の理解を求めているはず。そう解すると、条文原案に対する連合の批判はストレートには当てはまらないということになりそうだが…。修正後は、「労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について」労働者に理解させることになるのだが、ここで「労働条件」と「労働契約」を分ける意味は何であろうか? やはりそれぞれ労働契約締結・変更前と、締結後のことを指しているとすれば、この修正によっても連合の指摘する問題は解消されないのではないのだろうか? 連合のいう懸念を完全に払拭させるとすれば、「使用者は、労働契約の締結又は変更に際し、その内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする」とするほうがよい?

 私がまだよく分からないのが、2項に関する修正である。先行してパート労働法が改正され、ここで「労働条件に関する文書の交付」が義務化されたので、フルタイムの有期雇用労働者についても同じ趣旨の規定を設けよう、ということなのだろうか。もっとも労働契約法のほうは「できる限り」という努力規定にとどまる。パートであろうがフルタイムであろうが有期雇用であろうが期限のない労働契約であろうが、すべて「労働者及び使用者」の関係である。したがってここでカッコ付にしてまで「期間の定めのある労働契約=有期雇用」を強調する意義は乏しい。あえてカッコをつけなくても有期雇用も含むからだ。

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