朝倉 勇の独りごと--22 2008年2月4日
世界を、一匹の怪獣が暴れまわっている
「サププライム・ローン」という怪物です。アメリカがこしらえて
世界中の金融企業を食い荒らしています。そして各国政府も経済界も
打つ手がなく、その怪獣に振り回されているのです。
こしらえた本家のアメリカではその被害はもっとも大きく、
巨大銀行シティグループの損失は3兆円、メリルリンチは2兆4000億円だと、
明治大学の高木勝教授は今朝NHKラジオで語っていました。
日本でも損害が出はじめ、大銀行では300億円前後の赤字を計上して
いるようです。市民からほとんどゼロ利子に近い超低金利で金を集め、
こういうインチキ商品に「投機」していたのです。
頭のバブル構造は、20年前のバブル時代と全く変わっていませんね。
悪影響は、私たち一般市民の日常生活にも出はじめました。
石油の高騰から始まり、食料品を始めあらゆる料金の値上げです。
なんというタチの悪い、アメリカ産の怪物でしょう。
「サププライム・ローン」とはどんな怪物か
それは、低所得者層を対象に考えた住宅ローンだという。
ということは、初めから危険を孕んだ商品だったのではないか。
住宅不動産の価格は上昇するから、ローン金利は高くても資産は増えると
宣伝して多数の市民にローンを組ませました。低所得者は騙されたのです。
もともとリスクいっぱいの危険な商品。粗悪なローンなので焦げ付きが多発。
それが引き金になって、世界の金融市場を混乱に陥れているというのです。
欧州諸国でも被害は超多額に上っているらしく、あれやこれやで
世界経済に、そして暮らしに悪い影響を与え始めています。
このローン、欠陥商品だったのではなかったか
という疑問が湧きます。ローンを組まされた低所得の米国市民は
深刻な打撃を受け、住むところを失う人も多いといいます。
マイホームの夢を見て住宅を購入した市民たちは、金貸し業者に
騙されたのです。被害はそれだけではありません。
世界中の金融会社、銀行や証券会社、保険会社などが引っかかりました。
「サププライム・ローン」をさらに加工した「金融派生商品」とやらに
手を出したからだという。これら金融派生商品は金利が高い。
そこに目を付けて利益をとろうとしたわけです。マネーの世界は
利益だけが優先されます。高い金利のあるところにマネーは殺到します。
そこには道徳観も倫理性もありません。こうしてマネーの市場主義経済は
世界秩序を乱し市民社会を不幸に陥れます。マネー資本主義の欠陥でしょうか。
考えてみましょう。この金融商品、ほとんど「テロ」ではないでしょうか。
しかし、識者もメディアも不況を恐れる発言はしても、市場と社会を乱し
不幸を生み出す商品の反社会性、反道徳性についてはなにもいいません。
政府、経済界、マスコミ界も道徳性が失われ、識者の多くも
不感症になっているようです。
武器弾薬で襲うものだけが「テロ」なのではない
という感想を、ぼくは持ちました。
市民が幸せに暮らせる安心な社会を望むとき、心の目を大きく開いて
ものごとの本質を考えなければいけないと思います。