3.11 -EPISODE #4-
EPISODE#4
6:30
すっかり朝
真っ白な世界を
順調に進んでいく
なんか太陽が反射して眩しいなぁと思ったら
ガソリンを運ぶタンクローリーや
物資を運ぶトラックが多いことに気づく
みんな被災地に向かっているのか…
被災者の為に 気合いMAXの人も
仕事で仕方なく行ってるって人もいるだろう
そりゃ誰だって
こんな時に行くのは怖いはずだ
俺達は「家族」っていう
愛する人の為に行動してる
それはある意味 当たり前のこと
でも 横を走ってるトラックの人達は
身内でも何でも無い
困っている「誰か」の為に頑張っている
マジで尊敬だ
7:00
最初の予定では
関越道を新潟中央まで行き
磐越道に乗り換え津川まで
そこから先は通行止めなので
ひたすらは一般道というルート
さすがに
寝ずの18時間運転は危険だし
今日は津川まで行って軽く仮眠
昼にでも出発
そう思っていたんだが
カーナビ&ラジオを直すなら
TOYOTAのディーラーに行かなきゃいけない
ディーラーにいくなら街のでかい
新潟の方がいいはず
しかし 新潟は海のすぐ傍だし
地震&津波が再発したら危険だ
う~ん、、、どうしよう
充電は仮眠した時にコンセントからフル充電
カーナビはなくても
iPhoneのマップで なんとかなるんじゃない?
だんだん
ディーラーに行くのがめんどくさくなってきた
そんなムードになってる時に
友人タスクから電話がかかってきた
心配して目が覚めたらしい
「いつまででも起きてるから 何かあったら連絡してや!」
携帯を見るとZAXからもメールがきてた
励みにになるぜ ありがとう!
タスクに状況を軽く伝えると
この先通行止めが いっぱいあるかもしれないし
ここからこそカーナビが必要なのでは?
という意見だった
たしかにその通りだ
津川にディーラーがあると思えないし
やはり新潟で降りるべきなのか?
こういう時は落ち着かないといけない
SAでおしっこでもして考えるか
7:30
新潟中央まであと数kmのSAに降りると
何やら大型のバスが停まっている
紺色の制服を着た
自衛隊や消防隊らしき集団が
タバコを吸ったり 雑談したり
朝日を浴びながら伸びをしたりしている
なんか ニュースとか聞いても
漠然と誰かがやってくれてるというか…
正直 あまり現実味がなかったりもするけど
これから現地に向かう人達の
現場ではないシーンを目の当たりにすると
生身のひとりひとりの「人間」が
頑張ってくれてるんだなぁ…って
ものすごく実感
みんな雑談したりおしっこしたり
タバコ吸ったりする普通の
ひとりひとりの人間だ
決してパソコンや
アンドロイドがやってる事ではない
彼らの姿を見て
とても勇気を貰った
7:30
車を出発させる
さーてどうしよう
「俺の親戚ならTOYOTAの整備士なんだけどな~」
そんな事をポロっと言ったら
突然嫁が閃いたらしい
「みゆきって親友にいつか会わせたい」
何度も言っていたんだけど
どうやらその子の旦那さんが整備士らしい
「あ!ジュウちゃん??ひさしぶり~!」
今回の旅
そして状況を電話で説明している
南相馬市に向かってる事
カーナビが壊れて
TOYOTAのディーラーを探してる事
軽く仮眠できる宿を探してる事
「うん!うん!えっ!?ホント!?わかった~!!」
かなりハイテンションで電話を切った
もしや ディーラーと知り合いなのかな?
期待して聞いてみると
「そんなもん 全部俺が直してやっから今から来いだって!」
しかも 高速を津川で降りてから
南相馬市へ向かう途中の地点
ここから二時間くらいでと言うではないか
キターーーーーーーーー!!!
嫁とふたりでテンションMAX!
しかも
今までいつか会わせたいって言ってた
親友夫婦にも会えてしまうという。。。
やっぱり新潟ルートで来てよかった!
チェーンが切れたり
カーナビが壊れたりトラブルもあったけど
「すべてはみゆき達に会う為だったんだね!」
YES!
スーパーポジティヴ!(笑)
俺と嫁は
もはや完全に怖いもの無し状態で
みゆき夫婦のいる会津若松を目指した
9:30
会津若松にある 整備工場に無事到着
話がすでに通っていたようで
19歳ぐらいの整備士さんに車を託す
事務所に通されると
灯油ストーブ
新聞とラジオの音
革張りの黒いソファ
なんだか懐かしいかんじで
緊張が少しゆるむ
すると ジュウちゃん登場!
照れ屋っぽいけどナイスガイ
久しぶりの再会に嫁は嬉しそう
嫁の知り合いとはいえ
知り合いに会えて妙にホッとする
さらに
事務所で働くジュウちゃんの妹から
いきなり朝食を出される
シンプルに
温かいみそ汁とおにぎり
ああ
クソうまい。。。
いままで食べた朝食で
一番うまかったかもしれない
なんてあたたかい朝食なのだろう
さらにはビッショリになった
嫁の足下を観たジュウちゃん妹は
「これ履いてないやつだから よかったら履いて」
そう言って自分のブーツを差し出し
その他にもいろいろ持って来る
ガソリンも食料も
どうしようもなく不足してるはずなのに…
このあたたかさ
親切さはいったいなんなんだろう?
東京のスーパーで
買いだめしてるおばさんとか
この朝飯食ったらどう思うんだろう?
そんなことを考えてたら
さらにジュウちゃん
「仮眠するなら俺ん家行けや。みゆきいっからよ~」
「車はその間にやっとくから任せとけ!」
もうほんとに
泣きそうなんですけど…
人のあたたかさに助けられっぱなしだ
ありがとう
ありがとう
ありがとう
EPISODE#5へ続く