皆さんおはようございます。

 

理学療法士、セラピストフォーライフ認定講師の伊佐次 優一です。

 

H29/11/22(水)19:00~西宮市民会館で開催されます

ナイトセミナー2期~運動器の評価と治療~胸椎編についての解剖学的知識を

以前のブログをまとめた形でお届け致します。

一部追記しております。

 

事前の予習、復習に是非お使いください!

 

 

全てのセラピストが脊柱を評価・治療出来るような世の中にするために
この目標を胸に脊柱のセミナーを開催し、情報発信していきます!
よろしくお願いします!
 
目指せ!脊柱の伊佐次
 

 この目標を達成して頂くためにはまずは、解剖学的な知識を十分に頭に入れておく必要があります。

私がオステオパシーを学んでいる山端先生も仰っていますが、医者以上の解剖生理の知識が必要です。

是非解剖の教科書を何冊も何冊も読んでみてください。



まず胸椎の特徴として下記の4つを私は重要視しております。

 

①回旋の動きが特徴的ではあるが可動性は乏しい

②内臓との関連が強い

③胸郭・肩甲帯との結びつきが強い

④呼吸など自律神経系にも影響

 

胸椎の可動域制限は生じやすいと考えられますが、原因は多岐に渡る為豊富な知識が必要となってきます。

 

次に骨構造についてです。

 

 

・肋骨と胸骨からなる胸郭の存在により、可動範囲や運動が極端に制限されている

 

・棘突起は長く互いに重なり、第3および第4胸椎から尾側への傾斜度が増し、第5胸椎からより傾斜度を増す。第8胸椎までは次第に傾斜度を増すが、それ以下では再び減少し第12胸椎では腰椎に似てほぼ水平となる

 

・関節面をみると矢状面では軽度に前傾し、横断面では腹側開きの「ハの字」の形をしている。この形状からすると回旋運動が有利となっているが、胸郭の存在により運動は極端

に制限されている

 

横突起はよく発達し、上位胸椎では外側方に、下位では後外側方に突出し、上位から下位にいくにつれて大きくなり、第7または第8胸椎で最もよく発達する。それ以下は、再び小さくなる。

 

・立位において左右の肩甲骨上角を結ぶ線上に第2胸椎棘突起、肩甲棘三角を結んだ線上に第3胸椎棘突起、下角を結ぶ線上に7胸椎棘突起が位置している。

腹臥位や仰臥位では肩甲骨の位置が変化するため立位での指標とは一致しないので注意が必要である。

 

 

次は胸椎の運動について

 

 

胸椎の運動は胸椎椎間関節の屈曲(30~40°)伸展(20~25°)・回旋(30°)・側屈(25°)動作からなります。

 

 

呼吸時の胸郭の拡大に寄与し、後面で胸椎と肋骨を結ぶ肋椎関節(肋骨頭・肋横突関節)の運動も重要となります。

 

どちらも胸郭と結合しており、どちらかの運動が制限されるだけで胸郭の動きが制限されることとなります。

 
 

 

胸椎椎関節の運動の特徴について。

 

①屈曲・伸展

各椎骨間の可動域はT110で小さく、T11/12およびT12/L1で大きい

 

②側屈

側屈には回旋運動が組み合わされて起こる。椎体の回旋は凹側へ向かい、左側屈時には右(凸測)へ棘突起が移動する。回旋との組み合わせ運動は頸椎よりも明確に出現する

 

③回旋

上位胸椎において、関節突起関節面は腹側開きのハの字型を呈しており回旋に有利な形状となっている。T19で均一に動き、T10L1では関節面の傾きが矢状面に近くなるため制限され、2度動くのみである

 

 

次に胸椎のカップリングモーションについて

 

胸椎のカップリングモーションは上、中・下部でパターンが異なるので要注意です!

脊柱の正常の運動を知ることは脊柱を評価する上で欠かせません。

 

カップリングモーションを知ることで正常からの逸脱を評価出来ますので本当に有用です!

 

上部胸椎(T14):側屈と回旋が同方向(例:右側屈-右回旋、左側屈-左回旋)

 

中・下部胸椎(T512):伸展位および屈曲位(矢状面)でパターンが異なる

・胸椎屈曲位 :右側屈-右回旋、左側屈-左回旋となる「同側パターン」

・胸椎伸展位 :右側屈-左回旋、左側屈-右回旋となる「逆側パターン」

 

 

次に胸椎と内臓の関係について

 

早速ですが主な臓器と自立神経支配について

 

心臓:T1~6

肺:T1~6

胃:T69

肝臓:T5~9

脾臓:T6~9

腎臓:T10~11

 

このように胸椎と内臓は関連が非常に深いのです。

 

内臓と身体の繋がりは何ら不思議なことではないのです。

内臓体性反射、体性内臓反射という言葉があります。

 

内臓が体に、体が内臓に自律神経を通して影響を与えるのです。

また内臓編でこの辺はお伝えできればなと思います。

 

これは私の周りにもいるのですが、飲みすぎた後に肩こりや腰痛の訴えがある人とかいませんか?

これが分かりやすい例かと思います。

 

またアプライドキネシオロジー(AK)でも

 

T2:心筋

T5:

T8:肝臓

T11 12:腎臓

 

など胸椎の制限と内臓との関連性も言われています。

 

内臓治療と言うと難解に感じるかと思いますが、しっかりと解剖生理を学べば論理的に説明可能ですし、内臓が触れない状態だとしても胸椎の制限を解消すれば自然に内臓の治療を行える可能性も十分にあり得ると私は感じています。また内臓に関しては今後まとめていきたいと思いますので、お楽しみに。

 
胸椎に関しては臨床において、よく腰痛患者に対する介入を行う際に治療することが多いです。
胸椎は回旋可動域が大きいですが、可動域制限も生じやすく、腰椎は回旋可動域が少ないという点で原因となる場合が多い印象です。
 
全体評価としての胸椎の評価・治療は重要ですが、局所的な観点として腰痛治療のヒントになれば幸いです。
 
 

目標である
全てのセラピストが脊柱を評価・治療出来るような世の中にするために
 

 
少しでもこのブログが役立てば幸いです!