久し振りに邦画を見てきました。
話題になっていたこの作品です。

「脳男」
http://www.no-otoko.com/

並外れた知能と身体能力を持ちながら、
痛覚を感じず、
一切の感情を持たず、
自らの正義のためには
人を殺めることに何のためらいもない。
彼は「脳男」と呼ばれた。

首藤瓜於著、
江戸川乱歩賞受賞作品の映画化。
書店の棚に並んでいるのは
ずーっと前から気になっていたのだが、
読む前に映画になって
そちらを先に見ることになった。

キャラクター設定だけだと、
江戸川乱歩というよりも、
横溝正史の「真珠郎」に近いようだ。
http://www.amazon.co.jp/%E7%9C%9F%E7%8F%A0%E9%83%8E-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-304-16-%E6%A8%AA%E6%BA%9D-%E6%AD%A3%E5%8F%B2/dp/4041304164
だが、
主人公のキャラクターがそこに至るまでの
幼少期からの様々な経験は
脳男の方がかなり濃密で
そして哀しい。

主役は生田斗真。
端正な面差しで
典型的な二枚目俳優だが、
この作品のために
身体を絞り
感情を排した演技に取り組んだとか。
なかなか良い雰囲気でしたよ。

脇を固めるのは
連続爆破テロ犯を追う刑事役として江口洋介。
そして、
深いトラウマを抱えつつ脳男の謎に迫る精神科医に松雪泰子。
まぁここいらへんは間違いないですな。

脳男とどこか似た境遇ながらも対立する
連続爆破テロ犯を演じる二階堂ふみ。
初めて見るが
エキセントリックな演技が物凄い。
若手ながらこれから出てくるんだろうな。

幼児暴行の前科がある志村役を染谷将太が演じている。
彼もエキセントリックな
そして癖のある演技で、
この作品中で重要な役どころと担っている。


伝説のフォークシンガー、
山崎ハコが志村の母親役として出演しているのも面白かった。

エンディングでキングクリムゾンの曲が流れるが、
そこに至るまでのラスト30分は、
実に重く哀しく苦しい。
しかしそこはかとない救いも感じられる。

正義とは何か?
登場人物それぞれが
それぞれの立場で
それぞれに正しくあろうとして、
そこにまた苦しみが生まれて。

久し振りに見た邦画でしたが
考えさせられた作品でした。