この前の日曜日は
二男の中学の体育祭。
身体は小柄だけれど、
脚はそこそこ速いらしく、
リレーだ何だと出ていたらしいが、
私は残念ながら会議が入っていて、
応援には行けなかった。
子供の躍動する姿が見られなかったのは残念だったが
仕事では仕方ない。
またの機会を待つとしましょう。

ということで、
今回は子供の運動の話から入ったが、
今日も運動に関する書籍の話の続きで。
最近、
表題の斎藤先生の著書を取り上げて
色々と書いている。
今回も引き続きその本の話だが、
今回は
私の職業である理学療法士とその周辺事情と絡めながらのお話を。

この著書の中で、
アスリートの例が幾つか挙げられているが、
スピードスケートのオリンピック金メダリスト
清水宏保さんを取り上げている。
彼のトレーニング方法として
筋力強化をする場合、
意識を鍛える部位に集中するという例を挙げている。
トレーニングする筋肉に意識を集中すると
増強効果が高いというのは既に一般的知識のレベルだし、
ここまでなら一般的なアスリートでもありそうだが、
そのレベルの緻密さとして、
練習後にマッサージをしてもらう時、
「その筋肉の何番目の筋繊維の裏側」というところまでリクエストを出すという。
また
レース直前は
消化管の蠕動運動すら無駄として
固形物は口にしないというエピソードを紹介している。
つまり
自分の身体に意識を集中するといっても
そのレベルがケタ違いに高いということである。
特に
消化管という
普段意識することの難しい組織、
そして消化管を含む体幹に対して、
強く意識を集中しているということだ。
そこまで強くそして高く
自らの身体感覚、特に体幹に対して、
ナーバスであり、かつそれをフィードバックできる。
それがトップアスリートたりえる条件と言えるのではないか。

私たちが対象者さんに理学療法を行うときも、
漫然と行うのと、
特定の組織や部位をターゲットに絞り込んで行うのとでは、
かなりの違いが出るのを感じたり、
経験することがある。
これは治療を受ける側にしても同様で、
先ほど述べた
この部分の筋肉を鍛えるんだ、
或いは伸ばすんだという意識付けを
きちんと持って受けて頂くのと、
何も考えずに
受け身になってされるがままにしておられるのでは、
これも大きく結果に違いが出ることがあるようだ。
気持ちの持ちよう、という
精神論的な言葉も、
自分や相手の身体に対して
そこまで細かく
意識を高めて捉える、というレベルにまで突き詰めると、
その操作と結果に自ずと差が出るということだろう。

また、こういうことも考える。
リハビリの世界、
私が学生だった約20年前は
大きな筋力を強化するという主義や論理が主流だったと思う。
腕の筋力を上げるために上腕二頭筋を鍛えようとか、
大腿四頭筋を太くすることで膝を守るとか。
それ自体は今でも間違いではないけれど、
だから
これらの強化が一番大切、
あとは二の次三の次、
小さい筋肉なんてそんなに気にしなくってもいいんじゃ?という風潮が
明らかにあったと感じている。
ところが現在、
インナーとかコアとか呼ばれて
注目されているのは
脊柱起立筋群とか腹横筋とか。
筋の大きさで見ると
余り大きくはなくむしろ微細なグループ。
それこそ私が学生時代には
傍らにある大きな筋が主役であり、
殆ど脚光を浴びていなかった。
むしろ
こんなもん、どうだって良いよ、とされていた雰囲気だった。
今では
「これを強化することこそが重要!」というのが常識という風潮で、
実際、
先ほどの清水選手を初め、
サッカーの長友祐都さんや
水泳の北島康介さんが取り入れていて
素晴らしい結果を残している。
体幹トレーニングと呼ばれるのはこれと言って良いだろう。
立場が完全に逆転している。

あと、
短縮することで腰痛を引き起こすとされ
むしろ悪玉扱いのイメージが強かった
腸骨筋や大腰筋などの股関節周りの筋肉群。
これも現在は、
早く走ったり
高齢になっても元気に歩くためには
どんどん鍛えて強くするべしというムードに変わっている。

今の時点では医学的に常識と言われている事象も、
時代が進み新しい見識が増えれば
それにつれて変わっていくという
一つの例が端的に示されていて、
時代の移り変わりと
その時流を常に捉える事の大切さを実感している。

以上、
数回にわたって
この本を私なりに色々な角度から眺めてみました。
とても楽しめたし、
今後も読み返すことになるだろうと思います。
お付き合い有難うございました。