先日公開され
話題になっていたのは、
最近007で有名な
ダニエル・クレイグ主演、
デビット・フィンチャー監督の
ハリウッド版ですが、
私が見たのはこちら。
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9F%E3%83%AC%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%A0-%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%A5%B3-DVD-%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%B4/dp/product-description/B003CGD1FA/ref=dp_proddesc_0?ie=UTF8&n=561958&s=dvd
2009年スウェーデン及び、デンマークで同時公開されたもの。

経済誌「ミレニアム」の発行責任者で
経済ジャーナリストのミカエルは、
資産家のヘンリック・バンゲルから
40年前に起こった少女ハリエットの失踪事件の真相追究を依頼される。
ミカエルは、
背中にドラゴンのタトゥをした天才ハッカー
リスベットとともに捜査を進めていくが、
その中でバンゲル家に隠された闇に迫っていく。
というもの。

北欧の映画を見る機会は
余りないと思うが、
台詞が英語でないのは新鮮だったし、、
雲が低く垂れこめて凍てつく雰囲気の映像は
確かに寒い国で撮られた映像らしさを感じた。

以下、軽くネタバレ含みますので、
ご注意を。

ミステリとして見ると、
色々な手掛かりが順に提示されていき、
そこから謎を解いていくところは
確かにそれなりに楽しめるが、
純粋に謎解きとして秀逸かといえば、
それほどでもないというのが実感。
ナチスとかユダヤ人迫害とかの
ヨーロッパの負の歴史も
出てはきますが、
結局は赤ニシンで、
味付け程度にしかならず物足りない。
むしろキャラクターの突き抜け加減、
勿論それはリスペットの、ですが、
彼女にストーリが引っ張られていく感が強い。

内容については、
一言でいうと、
「濃くて重い」。
調べてみると、
原題は「女を憎む男」。
これが実は、
リスペットのバックボーンや
ハリエット失踪事件の
全てのキーになっている。
その点でいえば、
原作のタイトルからしてネタバレ全開で、
しかも最初から
「濃くて重いよ」と宣言していることになる。
当然映像化されても
そのカラーがはっきりと打ち出されている。

エンディングでのリスペットの変貌ぶりに驚き、
それなりのカタルシスを覚えないでもないけれど、
見終わった後で残るのは
やはり何とも言えない重苦しさだ。
しかし
この作品の世界観としては
私はそれで良いのだろうと思う。

原作は、
ジャーナリストのスティーグ・ラーソンという男性。
「ミレニアム」は3部作の推理小説で、
本国スウェーデンでは、
第1部が出版されるや大変な人気を博し、
刊行から約3年でシリーズ合計290万部を売り上げるベストセラー。
フランス、ドイツ、アメリカをはじめ
30カ国以上で翻訳され、
全世界で800万部以上を売り上げたという。

しかしながら、
この作品が発表されるまでの経緯が、
ミステリアスというかドラマチックというか、
哀しいというか残念。
失礼ながら私としては
こちらのストーリの方が寧ろ興味深い。

「ミレニアム」は
ラーソンがパートナーの女性エヴァ・ガブリエルソンと執筆したもので、
第2部までを書き終えた時点で
出版社と連絡を取り契約、
その時点で第5部までの構想があったというが、
ラーソンは2004年に心筋梗塞で急死してしまう。
つまり彼の処女小説にして絶筆作品であり、
第1部の発売も、
シリーズの成功も見ることなかった。

更に、
彼のノートパソコンには
第4部の4分の3に相当する下書きが残された上、
1巻分もしくは2巻分の概要もしくは草稿が残されている可能性があるというが、
パソコンを現在所持しているガブリエルソンは
彼と結婚してなかった。
よって、
ガブリエルソンは彼の作品に関する権利を持たない上、
彼の意思も残されなかったため、
眠っているかもしれない作品の公表目処は立っていないという。

ということで、「ミレニアム」シリーズはこの3部作のみとなる。

ハリウッド版はやや違ったエンディングらしい。
今後のシリーズも含めて
見比べてみるのも面白いかも。