決して熱心ではないけれども、
ミステリ好きの末席を汚させてもらっている。

そして、
このブログでも何度か触れているが、
私のフェイバリットは
二十数年前から変わらずこの方であり、
新作を待ちわびていたが、
この作品が遂に出た!

綾辻行人「奇面館の殺人」
http://www.amazon.co.jp/%E5%A5%87%E9%9D%A2%E9%A4%A8%E3%81%AE%E6%AE%BA%E4%BA%BA-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%B9-%E7%B6%BE%E8%BE%BB-%E8%A1%8C%E4%BA%BA/dp/4061827383/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1326769341&sr=8-1

デビュー作から続く館シリーズの9作目。
綾辻さん自身
次回作として
どこかで少し書かれていたタイトル。
書店の棚で見つけた瞬間に即買いでした。

いやあ、
存分に楽しませて頂きました。
やっぱり綾辻さんは本格の直球勝負が良いと改めて思いました。

いつものように読後レポートを。
とはいえ、
折角の本格の新作。
多くの皆さんに手に取って頂きたいので、
ここでは粗筋程度にして、
余りネタバレしないところで。

最近はホラー色がやや強い作品が多く、
デビュー作から続いているこのシリーズ、
特に本格の香りを気に入っていた私としては
やや物足りない感がしていたが、
これは久しぶりの純パズラー。

奇面館なる館に招かれた
いわくありげな6名の男たち。
そこでのルールとして、
全員が仮面を被らされ、
そして催される不思議な集い。
舞台は、
吹雪の別荘という
古典的なクローズドサークル。
そしてそこで起こる
凄惨な殺人事件。
最後に、
名探偵によって
圧巻の推理が展開される。

まさに
「本格とは」という
定義やスタイルそのままズバリ。

帯にもありますが、
「懐かしくも新しい」の煽り文句は
実に的を得ていると思います。
こういう典型的で古典的なシチュエーションの中で、
どれだけ読者を鮮やかに欺けるか?
それこそミステリ作家、
特に本格と呼ばれる人たちの腕の見せ所だと思うし、
そこに常に新鮮味を追い求めるのがミステリマニアだと思う。
その意味で、
本作は間違いなく傑作と思いますね。
つまり
それだけの推理と結末が用意されていた、ということです。
一切そこには触れませんのでご安心を。

もちろん
本作単体でも十分に楽しめますが、
「館」シリーズの一本としても趣向を凝らしてあり、
シリーズのファンを楽しませることも忘れていない。

探偵役として
お馴染の鹿谷門実がでずっぱりの活躍を見せる他、
館の建築家・中村青司の影は勿論、
シリーズ中の登場人物達も
チラホラと顔を覗かせる。
シリーズ中の数作でも見られた
「虚構の伽藍としての館」を再現させているようにも感じられるし、
人間心理の影の部分や
怪奇幻想と呼べる現象についても、
シリーズの数作と呼応するような香りを感じる。
また全作リピートしてみたくなりました。

どうぞ皆さんも読んでみてください。
楽しめると思いますよ。

綾辻さんは
このシリーズを全10作と公言しておられますので、
遂に次回作でクライマックスに向かう訳でしょう。
しかしながら中々に寡作の方。
じっくりと待ちたいと思います。
待たされても読みたい作家、作品がある。
ミステリファンとしては幸せです。