何だか最近
平日にボツッと休みが入る。
で、
「今日はこれやっとかなきゃ」の用事も特にない。


思い付きで光の森に出掛けた。
そしたら、
今日はTOHOの日とかで
映画千円だって!
ラッキー!

何を見ようかな、と
ワクワクして探す。


パイレーツとかX-MENとか
面白そうなのが沢山。
目移りする。
しかしながら、
ここらへんは
多分子供達も見たがるハズ。
抜け駆けして見ると
後々責められそうなので
今日はパス。

ということで、
逆に子供がいないのを良いことに、
お子様連れでは些か厳しいのを、ということで、
ちょいとアダルトに、
今日はこれをを選ぶ。

「ブラックスワン」
http://movies2.foxjapan.com/blackswan/


謳い文句は
「純白の野心は、
やがて漆黒の狂気に変わる」


健気で可憐な若きバレリーナは
白鳥の湖のプリマドンナに抜擢される。
しかし彼女には、
魔法使いの呪いによって
姫から姿を変えられた
白鳥の清純さは表現できても、
姫を救おうとする王子を
誘惑し奪い取る黒鳥の邪悪を表現できない。
演出家、ライバル、そして彼女を溺愛する母、
周囲の人々のプレッシャーに、
彼女は徐々に
漆黒の狂気に心を蝕まれていく、
というもの。


凄い!
重かったけど最高に面白かった!


私はバレエなるものについては、
殆ど知識がない。
一般的な漫画やらドラマやらでかじってる程度。
しかし、
バレエ劇団と言う表現者集団の中で、
そのトップを張ることに対する、
熾烈な競争や嫉妬、
プレッシャーや駆け引きなど、
想像に難くは無い。


主演のナタリーポートマンは、

この作品で、
アカデミー賞とゴールデングローブ賞、
両方で主演女優賞を獲得したそうだ。

確かに凄い女優だと思う。
身体も踊りも、
まるで本物のバレリーナ。
てか、
繰り返しになりますが、
本物のバレエ、
私、まだ見たことは無いんですがね。
けれど、
バレリーナの草刈民代さんが以前ヌードになられた時、
贅肉を極限まで削ぎ落としているのは勿論のことだが、
むしろアスリートと呼んでも良いくらいにビルドアップされた筋肉美に
驚かされたことがありました。
今回のナタリーポートマンも
それとほぼ同じシェイプアップ、
そして筋肉の付き方をしていました。
それだけでなく、
関節の柔軟性や踊りの姿勢、バランスに至るまで、
他のダンサー達と全く引けを取らないどころか、
役そのものの如く、
彼女たちを凌駕するほど。
かなりなトレーニングを積んでいる筈です。


当然ながら、
狂気に取りつかれていきながら、
それに怯えるという演技も、
まさにエキセントリック。
ロバートデニーロを彷彿とさせる
完璧な役作りですね。
「レオン」の時も天才子役と呼ばれていましたが、
美貌と才能と情熱と、
あれだけ兼ね備えている女優さんは、
そうそう居ないんじゃないかと思う。


あと、
形は違うが、
同じ表現を志す者として、
心を打たれるシーンがしばしば。


彼女を始め、
ライバルや演出家、彼女の母など、

彼女の周りにいる表現者たちの、
孤独、苦悩、葛藤、
そして自己顕示欲などが、
そこここに織り込まれている。
これらは表現者としてありたいと志す者の胸の内に、
決して消すことが出来ない業のようなものではないか。


個人的に、
とても印象的なシーンがあった。
クライマックス近く、
とてもショッキングで哀しい出来事に打ちひしがれ、
涙を流しながらも、
次の舞台に向けてメイクを治すと、
あっと言う間に彼女の顔に笑顔が戻っていく、というもの。


舞台に立つ、
そこで表現する、
そのためには何でもあり、だ。
それが表現者というものではないか。
私はそう思う。


哀しい事や辛い事があっても、
立ち続けなければならないし、
何かと犠牲にしなけれ得られないものであり、
それを犠牲にしても立ち続ける意義がある、
否、むしろ、
そこに立つためであればどんな犠牲も厭わないし、
そこに立てなくては生きている意味がない。
そう感じるものこそ、
表現者なのではないか。


そういった表現者の内面全てを、
彼女の笑顔は表現していたのではないかと思う。

そして、
全編にわたって語られているのは、
彼女のみならず、
私や貴方を含めた全ての表現者達が実は内包している
狂気と紙一重の表現欲ではないか。


そういう意味でも、
私はこの映画を高く評価している。
良い映画、見せてもらいました。
皆さんも良ければ是非。