ダイア君に弁護士がついてから離婚が成立するまで6ヶ月強、ルビーちゃんが家を出て行くのはそこからさらに2ヶ月の月日がかかりました。

調停は7回行い、9ヶ月以上です。

 

調停は夫婦間の話し合いがつかないときに、第三者を交えての話し合いをする場ですが、ルビーちゃんに限っていえば、話し合いだけでは何も決定しなかったでしょう。

ルビーちゃんは、調停員に調停の場はあなたの愚痴を聞くところではないとたしなめられたことがありました。

調停員も辟易したのか、このまま調停をしていても何も進まないので、調停を取り下げたら?という提案をダイア君にしたりもしました。


モラルハラスメント加害者の人間相手では、協議、調停に関わらず、話し合いという行為だけで問題を解決しようとするには無理があるような気がします。


弁護士をつけ、裁判も辞さないという相手に対する攻撃が決め手になったのだと思われます。


これは、ルビーちゃんはもちろん、ルビーちゃんの後ろにいる不貞相手が、裁判となってすべてが公になるという事を恐れたのではないかと思います。

ルビーちゃんの場合は、完全な有責なため裁判になれば全く勝ち目がないということ。

不貞相手の場合は、裁判になれば自分の家族等に知られる可能性が高いということ。

この二つが、ルビーちゃんが離婚拒否を翻した理由ではないでしょうか。



裁判になったら時間がかかるから、協議や調停で終わらせたいと思うのは人情です。


しかし、蓋を開けてみれば協議からルビーちゃんが家を退去した期間は1年半でした。

ルビーちゃんが引き伸ばしをしたり、何も決められなかったりした事に加え、調停のスケジュールにも問題がありました。

年末、お盆に休みがあるため、その後は常に順番待ちです。

しかも3月は人事異動で行われないので停滞します。


ダイア君の場合、ルビーちゃんの有責の証拠は腐るほどありました。

それにも関わらず、なるべく早く離婚したいために、解決金を払ったり、家財道具を渡したり、ルビーちゃんの言うとおりの条件で離婚したのです。


確かに、離婚することが一番の望みではありましたが、何故有責の人間に有利に離婚をしなくてはいけないのか?という疑問はしこりのように残ります。


調停を何回も続けた後に、裁判でさらに2年もと思うと、つい話し合いでと考えしまいます。

(親権を争わないのであれば、裁判でも1年ぐらいで終わるそうですが)

そのために、譲歩しなくてもいい譲歩をする事になりました。

ダイア君の弁護士も、ルビーちゃんに譲歩させるよりもクライアントであるダイア君に譲歩させるほうが楽だと考えたような雰囲気でもありました。


第1回調停のときに、さっさと不調にし、すぐに裁判に移行すれば、もう少し納得のいく結果になったのかもしれません。


もしくは、はったりでも裁判で決着をつけるという態度をルビーちゃんや不貞相手に誇示しておけば、また違った結果になったような気がします。


法律だ、倫理だと考えてしまいますが、交渉ごとなのですから、はったりがきく人間のほうが有利のようです。

また、あせった人間が負けるのが交渉ごとのセオリーです。


しかし、一刻も早くモラハラ加害者から逃れたいために、被害者が不利になってしまうのが現状なのです。