★3.医学部受験を挫折したらどうなるのか?多浪の末の歯学部入学への恐怖
さて、この記事がこのブログのメインの一つになるかと思います。多くの医学部受験多浪生が畏れている事、それはここまで年数を重ねて医学部受験に失敗したらどうなるのか?だと思います。色々あって8年もだらだらと浪人を重ねて後に引けなくなった私。何が何でも医学部に合格するしかない…。普通の人はとっくに大学を卒業していい感じのキャリアを積んでいる年齢…。同い年の中にはもう子供もできていておかしくない…。今から普通の大学に入ったってもうまともな企業には入れない…。考えれば考えるほどまともな精神を保ってられない状況。合格するまで医学部を受験するしかないのか…。しかし親や親戚はいつまで自分の受験を許してくれるのだろうか…?━━━━━━終わりは突然やってきました。スポンサーである親からとうとう受験人生の終了要請を言い渡されたのである。この年の私の受験は例年になく実力が上がり国際医療福祉大学一次合格杏林大学医学部一次合格金沢医科大学一次合格藤田保健衛生大学一次合格獨協医科大学一次合格埼玉医科大学後期一次合格と、6つの学校の一次試験を勝ち取っていました。「これだけ一次が掛かればどれか一つは受かってくれるだろう…。」そんな希望の灯も日が経つにつれ消えていき、とうとう繰り上がり合格が見込めなくなる4月に差しかかろうという時期でした。前もって8浪目を決めた当初から親とは「今年を最後にして、必ずどこかの大学に身を収める事」という約束になっていました。親曰く「純浪という経歴がいけないんじゃないか?」とのことでした。私は当初、万が一医学部受験を挫折した場合の進路として薬学部を考えていました。歯学部ではありませんでした。その理由は・歯科医院は現在コンビニよりも数が多く、飽和状態であること・歯科医の数もまた飽和状態であり、仕事にあぶれた歯科医が多いとのこと・薬剤師は現在需要が増えつつあるとのこと・薬学部は仮面浪人しやすそう・歯学部よりも薬学部は学費が安いと、大きく分けてこの5つです。あくまでこれらは他の進路を考えた時に自分が集めた情報であって実情とは程遠いものです。はい、世間知らずもいいとこですね。歯科業界の方々申し訳ありませんでした。ネットでちょこっと現在の歯科業界について調べるとネガティブな情報ばかりですが実際は全然そんなことないですよ。まあそれについての細かくは後々別の記事で書くとして…そんな訳で私は当初滑り止めとして私立の上位の薬学部をセンター利用で出願していました。医学部入試に専念したいから面接のない大学での上位校ですね(笑)結果としては上記の条件で出願できる大学には合格していました。しかし、突然になって親から「滑り止めで大学に入るなら歯学部にしろ」と無茶振りがきました。もう滑り止めの薬学部合格しているのに…。「知り合いから聞いたが薬剤師よりも歯科医師の方がまだ未来が明るい」とのこと。何よりも「生涯現役で働けるのは歯科医師だ」だそうで。これを言い渡されたのは医学部前期受験後の歯学部後期試験出願もギリギリの時期で都内のT歯学部とN歯学部の2つのみを嫌々後期試験出願する事となりました。結果T歯学部は不合格…ここは医学部並に難しい…悔しい……。N歯学部は10人枠の後期一般試験と5人枠のセンター利用試験併願出願し両方の枠で合格面接があったけどもハッキリ言って他の受験生より舐めた内容でした。それでも受かったのだから、面接より学科試験の出来が重視されるのだろう。(↑★この経験が、後に生きることになってきます。)後は医学部合格の繰り上がりを待つのみ…医学部がダメだったらこの歯学部に強制入学…生きた心地のしない2週間でした。これまでの受験生活、色々酷い目に遭って尚且つちょっと漫画の読み過ぎで頭ファンタジー入っていたみたいで「これだけ頑張ったのだから、最後には勝利の女神が微笑んでくれるだろう…」と最後まで根拠のない期待を抱いていました。しかし、とうとう医学部からの繰り上がり合格はやってきませんでした。これだけ勉強したのにこれだけ一次試験受かったのにやはり多浪という経歴がいけないのか…心の底から何かが折れる音が聞こえたような気がしました。「これは現実なんだろうか…?」親が歯学部への入学の入金を済ませ、明日には入学オリエンテーション私は入学式まで医学部からの繰り上がり合格の電話が来る事を諦めていませんでした。「入学式まではまだ時間がある、今にも電話が掛かってくるはずだ」もう正気の沙汰じゃないです。とうとうやって来る歯学部の入学オリエンテーション胃はとても荒れ、大学まで向かう足は重く、まだ現実と認識できていません。この日の天気は暗い曇り空、自分の気分をよく表していました。大学へ一歩足を踏み入れるその瞬間教室へ一歩足を踏み入れるその瞬間全てが苦痛に感じました。同じオリエンテーションに来ているイケイケの恰好で自信満々のヤンキー達(実際には全然ヤンキーじゃないが、思い込みでそう見えていた)本当に俺はこいつらと一緒になってしまうのか?と半信半疑でした。そしてとうとうやってきてしまう入学式、ここまで暗い気持ちの入学式は人生初でした。そして入学式でのお偉いさんの第一声が「今この場にいる新入生の中で医学部への気持ちを捨てきれない人、今すぐにこの場を立ち去ってください」胸を貫かれるような思いでした。俺だけの為にわざわざこんな台詞を?元々歯学部を目指して入学して華々しい気持ちの人に迷惑じゃないの?と混乱しました。どうやら自分以外にも似た様な人はそれなりにいる。ここで初めて認識をしました。入学式の後も後から後から別々の先生からの「医学部への思いを断ち切れ!」などといった色んな話がありました。それほどにまで医学部を挫折して歯学部に入学して、その後トラブルを起こした人が多いと言うことでしょうね。絶望のまっただ中。とてもこれからやっていける気がしない。どうすればいいのか…。ここである考えが思い浮かびました。「歯科大学生をやりながら医学部受験をすればいいじゃない」と「むしろ大学生という身で、身の狭い思いをしないで済みながら医学部浪人がまたできる。お得じゃないか」と ポジティブな気持ち を持つことにしました。勿論私立歯学部の学費は安いなんてもんじゃない、医学部と同額だ。仮面浪人をする為に歯学部に在籍しつつ受験勉強をするだけなんて許されない。歯学部生として単位をしっかりとって進級しているなら、逆に自分が何をしたっていいじゃないか。失敗すればこのまま卒業して歯科医になればいい。と気持ちを切り替えた途端、気持ちがとても楽になりました。さて、そう気持ちを切り替えて歯学部で頑張ると決めた所でまだ沢山の問題が残っている。それは①8年も純浪を重ねた身で恥ずかしい思いをしないだろうか②こんな自分に少しでも大学生活を全うするための最低限の話し相手はできるだろうか③そもそもこんな浪人を重ねた身で大学の単位を取れるのだろうか④この年齢から歯科医を目指してまともな人生は送れるのだろうか?⑤歯学部に通いながら医学部受験の勉強をする時間は取れるのだろうかでした。結論としては全て問題なし でした。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━まず①8年も純浪を重ねた身で恥ずかしい思いをしないだろうかについてこれは多くの多浪生が抱える不安だと思います。8年の間に何か特別な活動をしたわけでもない。ただ受験生として8年間だらだらと過ごしてきただけの私。年の功なんてあったもんじゃない。でも「8浪なんて気持ち悪いわ~近寄らないどこ」なんて事には一切なりませんでした。いや一部にはそういう人もいたのかもしれませんけどね^^;現役生の方々とは8歳も年の差があったわけですね。自分は年上としてのプライドなんて全くなかったのでタメ語で話されても何も感じませんでした。それが良かったのかもしれません、現役生の友達は結構それなりにできましたよ、ええ。(内心馬鹿にされていたのかもしれませんが…それでも良く接して貰えました。)何人かは自分が圧倒的に年上だと知ると敬語になる人もいたのですが、「俺おっさんだけど何のとりえもないクズだから、普通に敬語でいいよ^^;」って押し通して無理にでもタメ語で話して貰いました。それと、実際に話していると歳の差なんてあまり感じません。相手は圧倒的に年下ですが、同い年くらいか、時には年上に思えるような大人さを感じる事もありました。大学に入ってから心の底から痛感したことは大学では歳の差はそんなに問題ではないでした。歯学部ってせいかもあるのかもしれませんが、世の中本当に色んな人がいます。26歳で入学し年上の先輩がいるのは当然の事として年下の先輩もいれば、年上の同級生、同い年の後輩(2年次)もいました。しかも子持ちで新しく歯学部に入学する人が数人いました。それと自分ほどではないけども同じく医学部を多浪した人もそれなりにいました。自分の入学した歯科大学が特殊だったのかもしれないですがこれだけ濃いメンバーなら埋もれて当然ですよね^^「自分だけが」と不安で胸を痛めていた自分が馬鹿馬鹿しくなる光景がそこにはありました。まあ、今から医学部以外の大学に入学する人がいたとして自分を偽ること と 自分を恥ずかしがること だけは絶対に止めた方がいいですね。自分への恥ずかしいという気持ちは、必ず相手に伝わってしまいます。堂々と「俺は多浪だぁ!」と胸を張って自己紹介しましょう。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━次に②こんな自分に少しでも大学生活を全うするための最低限の話し相手はできるだろうかについてまあ、①に書いてある通りの環境だったのであまり除け者にされるなんて事はありませんでした。個人的に割と早い段階で趣味の合う良い友達を捕まえられたのが大きかったかもしれません。大体は大学側も一人ぼっちになる事が無いよう様々な顔合わせイベントを用意していてくれています。しかし、受け身の姿勢では安定した話し相手を作るのは中々難しいかなと思います。多浪し年齢を重ねてる身であれば尚更、年上相手にあまり話しかけるのは失礼かなと思われていたりもします。機会がある度に積極的に話しかけましょう。別に話し相手なんて作る必要ないじゃん?って人もいるかもしれません。しかし多くの歯科大学は先輩から回ってくる定期試験の過去問が重要になってきます。ぼっちのままだと一生懸命一人で勉強しても普通に留年することがあります。かくいう私も在籍した歯科大学では成績優秀者という身でしたがはっきりいって過去問がないとやってられないという結論に至りました。また、現在の大学生は多くがクラスでのLINEグループを作っているはずです。大学でのアナウンスは基本グループLINEだよりです。もし入学後にそういったLINEグループにまだ入っていなければ、機会を見計らって話しかけやすそうな人にグループLINEの存在を尋ねてみましょう。そこからまた新たな出会いがあるかもしれません。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━③そもそもこんな浪人を重ねた身で大学の単位を取れるのだろうかそう、長く達成感を味わっていない浪人生活を重ねると自分への自信が激しく無くなります。そして今から歯学部に入学するかもしれないあなたがよく目にするであろう留年率 それと 国家試験ストレート合格率国試については私は辿り着く前に大学辞めちゃったのでなんとも言えないのですが留年についてだけは間違いなく言えます。出席して、最低限の知能さえあれば、まず留年する事はありません。よく定期試験のすべての教科の成績が○○%以上でないと留年~とかありますがそんなに身構えることは全くと言っていいほどありません。(いや身構えすぎていて越したことはないんですがね^^;)今まで医学部受験をしてきたあなた、そして一次試験合格を勝ち取った経験のあるあなた。本当に出席さえすればまず留年する事は無いでしょう。まず出席だけである程度の点数が科目ごとに加算されます。実習なんかは出席そのものが点数の付け所なので出席が全てですね。(学年が進むと実習中の試験なんかもありますが…おまけみたいなもんです。)学年ごとに留年する10数人はどんな人なのだろうか?少なくとも私が見たのは・出席さえすればいいのにそれができなかった人・最低限の足し算引き算ができないレベルの人・最低限の読み書きができない人・常識外レベルで余計な事をやってしまった人でした。①と②にも書きましたが本当に色んな人が大学にはいます。それは年齢だけの問題ではありません。余程のイレギュラーが必ず各学年に存在し、それが相応に弾かれていっているだけです。まあ、でも上の学年に上がるとやはり学力そのものがどうしても足りなかったって人もいます。定期試験で鍵となるのは過去問ですね。医学部合格した私ですが、1つ過去問を入手できなかった教科はどれだけ頑張っても追試にかかってしまいました。だってこの勉強の中からどうやって問題が聞かれるか分からなかったら対策のしようが無いんですもの。定期試験が駄目でも多くの大学は追試という体での救済措置がしっかりとあります。大学にもよりますが1つ単位を落としても次の学年で補習に出ればOKなんて人もいました。少なくとも、私が在籍していた大学についての進級問題はそんな感じです。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━④この年齢から歯科医を目指してまともな人生は送れるのだろうか?これについては、はっきりと保証はできません。しかし歯学部という場に在籍し、学んだ身としてはそれほどこの先暗い業界でもないのかなと感じ取ることができました。自分よりはるかに年上でこれからやっと歯科医師、って部活のOBの人を見ましたが給与はそんなに嘆くほどでもなさそうに思えました。私の身の回りの多くの人は実家が地方の歯科医院で、歯科医師になったらそこを継ぐだけって人がそこそこいましたね。そういう方々の未来は明るいと思います。また、現在は国家試験で歯科医師への入り口を絞っている状況ですので、これから先新人の歯科医師の需要は増えてくると思います。また、地方での歯科需要は増える一方なのに対し供給はさほど増えていないのが現状です。都内にこだわりさえしなければ、まだまだやり用はたくさんあると思います。少なくとも僕が歯学部に入学する前にネットで調べて見た上っ面の情報よりかは、実際に歯科医療の場で従事しているOBの方々の顔は明るく見えました。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━⑤歯学部に通いながら医学部受験の勉強をする時間は取れるのだろうかはい、あります。とはいっても純浪時代ほど受験勉強のみに時間を割くといった真似はできなくなると思います。しかし、歯学部に通っていると医学部受験だけでは得られなかった多くを学ぶことができます。歯科医療という視点からでの現代医療の勉強歯科医療に必要な基礎教養での医学部受験と範囲の被る+αの勉強…色々得る物はありました。そして私は歯学部で学んだ事を役立てて医学部受験での合格を勝ち取る事ができました。それまでの医学部浪人生活で一次試験合格はする事ができたのにどうしても二次試験合格まで勝ち取る事のできなかった人。もしかしたら、歯学部に入学すれば合格にまでギリギリ足りなかった何かを得られるかもしれません。これじゃあまるで歯科大学の回し者みたいですね^^;ともあれ底辺私立医学部であれば合格するための時間は十分に確保することができると思います。一年次なら時間割も穴だらけで開いた時間が沢山あるし、何なら退屈な授業の最中に平然と受験勉強の為の参考書を開いて勉強できる環境でした。まあ、予備校での授業は受けられないので独学になるか、個別指導塾に行くかしかの選択を選ばざるをえないかと思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━とりあえずこんなところですかね。長く書いていると何が言いたかったか伝わりにくくなっちゃいますね、反省…。まず第一に書きたかった事は書いたので。この記事ではこれまでにしておきます。うわぁ夜中の0時にブログ立ち上げて書いてたらもう朝の6時だぁ(@_@;)書きたい項目は複数あるのですが、次に何を書くかはまだ未定です。春からの新しい生活に向けての準備を進めなきゃ…それではまた。後から見返して文章がおかしかったら修正するかもです。