課題曲が届きました。
スコアを見ながら大体のイメージを作って、実際に聴いてみるとまた違った発見があります。

が、一度スコアを見ながら聴くと段々慣れてきてしまうものですね(笑)

初印象が完全に消えてしまう前にメモ書きを…


Ⅰ.「あんたがたどこさ」の主題による幻想曲(林大地)
聴いた人誰もが突っ込んだでしょうが、本当にまんま「あんどこ」ですね(笑)
すごく親しみやすく、かつ課題曲としての攻略ポイントも多く、やりがいのありそうな作品です。
中間部は大編成指定ならではのオーケストレーションとなっており、ダブルリードがいなければ大分印象が変わってしまいそうな…
その分細かいバランスは取りにくい部分が多いかもしれませんね…特に中音域の楽器は各楽器の音色を活かし、歯切れ良く吹かないと似たような音域で同じ旋律…などという状態になりかねません…
基本6/8ですが、時々挟まれる9/8で拍子感を出せるか、何より6/8で伴奏が頭打ちなので、マーチっぽくならないように…
作品の取っ付きやすさとは裏腹に克服しなければならないことは盛り沢山ですね!

Ⅱ.マーチ「エイプリル・リーフ」(近藤悠介)
爽やかなコンサートマーチですね!
チューバ奏者としては時々裏切られる音列がありますが、印象に残るか違和感を与えてしまうか…何の変哲もない頭打ちですが、以外に手強いか?
割とどの主題にも同音連打(第1マーチのララドとか第2マーチのファファミとか…トリオにもあります)があるので、ちょっとしつこく感じる(8分の刻みではなく4分+8分のシンコペーションじゃダメだったのか?)ような気はしますし、トリオには旋律に2拍3連があったり…
完全にコンサートマーチですので、いかに旋律を聴かせるか(一応低音はずっとマーチリズムです)が大切ですね。私自身は形式に則りつつも油断するとどんどん違う方向に行ってしまうマーチは課題曲として好きですが…。
しかし作曲者さん、適度なエロさを持った装飾音符なんて素晴らし過ぎる要求を課題曲でするなよ(笑)

Ⅲ.行進曲「春」(福島弘和)
さすが福島さんですね。
格調高い響きといい、無駄のないオーケストレーションといい…
ただ、行進曲というよりはゆったりとした祝典序曲的なテイストがあるかな?
前半部は定期的に決め所となりそうな全奏が入りますが、毎回「ジャ、ジャン!」と決めてしまうと、その都度流れが途切れてしまいそうですので、フレーズ処理はセンスが問われます。
トリオは非常に荘厳です。前半部もそうですが、8分音符と4音符を書き分けていて、しかもその処理如何で重厚にも軽快にも聞こえるってのは、低音吹きを刺激しますね(笑)
小編成で書かれてますが、オプション楽器が入ってこそ真価を発揮するような気がします。
転びやすく重くなりやすい、躍動感ある軽さを求められるのに地に足ついた重さも求められる…ある意味今年1番手強い作品かもしれません…

Ⅳ.行進曲「道標の先に」(岡田康汰)
6/8拍子が持つ躍動を感じさせるマーチですね。
旋律はたっぷりと歌えるのですが、レガートとレジェッロをどの程度のバランスで共存させるかで、印象は随分と違うものになるでしょう。
前奏8小節の再現が何カ所か出てきますが、一部薄く感じる再現もあり、前奏を華やかに仕上げれば、その辺りはちょっと違和感があるかも…?思い切ってハッとさせるのが良いのかもしれませんね。
頭打ちは定期的に引っ掛けが出てくるので、事故を起こさないように(笑)
拍子の都合なのか、対旋律は音が細かくなっておりますので、若干忙しいですね。テンポに乗り遅れないよう注意が必要です。
トリオのブリッジ明けから最後の前奏再現に向けて若干旋律が行方不明になりかけているみたいなので、バランスや和声感を聴かせるつもりで処理するのが良いでしょうか。
課題曲としては意地悪な仕掛けが満載です。私はこのくらいが丁度いいですが…

Ⅴ.ビスマス・サイケデリアⅠ(日景貴文)
所謂「現代曲」というやつでしょうか?
特殊奏法や面白い擬音のような打楽器を用いて昨今のコンクールには無い雰囲気を醸し出しています。
冒頭の5連符を基本としたリズムのバックに音階が並んでいる辺りは非常に緊張感のある部分ですね。
後半の3連符と16音符の共存もまた緊張感を感じる場面なのですが、打楽器の変則的なリズムを刻んでいるため、拍が行方不明にならないように…
また、ところどころ開放的な響きがするところがありますが、伴奏は固めの音で雰囲気を締めた方がコントラストが出て面白いかもしれません。
トランペットのワウワウミュートとフレックストーン、フルートのフラッターとスライドホイッスルなど、ちょっと拍子抜けな音がなんとも憎い演出をしていたり、アンヴィルは地味に重要な役目を果たしているので、この辺りの楽器は特に拘ってみると良いかと思います。
作品の響きも面白いのですが、スコアの音符も一つの模様として楽しめます。
これは実演で色んな団体の演奏を聴いてみたいですね。