Ryosuke Kitatani et al:Ankle muscle coactivation and its relationship with ankle joint kinematics and kinetics during gait in hemiplegic patients after stroke.SOMATOSENSORY & MOTOR RESEARCH, 2016
【はじめに】
歩行における足関節筋の同時収縮の増加は、脳卒中片麻痺患者において姿勢の安定性を向上させるための補償戦略である。しかし、先行研究では、脳卒中片麻痺患者の歩行時における足関節筋の同時収縮の増加が足関節運動に影響を与えるかは実証されていない。
【目的】
脳卒中後片麻痺患者の足関節筋の同時収縮と足関節の運動との関係を検証することである。
【方法】
対象は脳卒中片麻痺患者17名とした。
足関節での同時収縮指数(COI)は、表面筋電を用いて歩行中の麻痺側・非麻痺側の第1および第2の両脚支持期(それぞれDS1とDS2)および単脚支持期(SS)の周期について別々に計算した。同時に、三次元動作解析を足関節角度、モーメント、及び矢状面におけるパワーのピーク値を測定した。前後方向の床反力(GRFs)と足圧中心(COP)の軌道範囲、速度も測定した。
表面筋電図処理の方法として、生EMG信号は、最初に10-500Hzでバンドパスフィルターし、全波整流化した。 EMG信号は、歩行周期の100%で時間正規化した。 EMG振幅は歩行周期全体での各筋肉の平均振幅によって正規化した(Yang and Winter1984;Rosaら2014)。足関節で主動作筋/拮抗筋の同時収縮(TA/ LGの同時収縮)の大きさは、振幅正規化筋電図を用いて、同時収縮指数(COI)で定量化した(Chowら2012;Rosaら2014b)。



【結果】
麻痺側SS中のCOIは、麻痺側足関節背屈角度、足関節底屈モーメント、足関節パワー、およびCOPの速度を負の相関を認めた。
また、両側DS2中のCOIは、両側の前方推進力(Anterior GRF)の大きさと負の相関を認めた。
【結論】
同時収縮は関節の剛性を高めるため、脳卒中後の単脚支持中の足関節運動の減少と関連し、立脚支持での不安定性を有する患者にとって有用である可能性がある。
【本研究の限界】
麻痺側足関節の筋力と歩行の機能回復に対応する足関節筋の同時収縮の補償戦略の変化は、現在の観察研究では明らかではない。したがって、さらに長期的な研究は、脳卒中患者における筋同時収縮、歩行パラメータ、機能障害の変化、およびそれらの相関関係を調査する必要がある。


歩行における足関節筋の同時収縮は、脳卒中片麻痺患者にとって姿勢安定化のための戦略的反応であることを踏まえると、ある程度は肯定的に捉えるべきだと思います。
しかし、否定的観点から
同時収縮の増加は、それが脳卒中後の患者における歩行時に高エネルギーコストを誘導する(Detrembleurら.2003)。
脳卒中患者における足関節筋の同時収縮と歩行パラメータとの関係を検討しており 、 短い足関節筋の同時収縮は麻痺側の単脚支持期(SS)の短縮と歩行速度の低下に関連した(Lamontagneら.2000)。
そして
本研究の結果からも安易に肯定すべき戦略ではないと思われます。
【はじめに】
歩行における足関節筋の同時収縮の増加は、脳卒中片麻痺患者において姿勢の安定性を向上させるための補償戦略である。しかし、先行研究では、脳卒中片麻痺患者の歩行時における足関節筋の同時収縮の増加が足関節運動に影響を与えるかは実証されていない。
【目的】
脳卒中後片麻痺患者の足関節筋の同時収縮と足関節の運動との関係を検証することである。
【方法】
対象は脳卒中片麻痺患者17名とした。
足関節での同時収縮指数(COI)は、表面筋電を用いて歩行中の麻痺側・非麻痺側の第1および第2の両脚支持期(それぞれDS1とDS2)および単脚支持期(SS)の周期について別々に計算した。同時に、三次元動作解析を足関節角度、モーメント、及び矢状面におけるパワーのピーク値を測定した。前後方向の床反力(GRFs)と足圧中心(COP)の軌道範囲、速度も測定した。
表面筋電図処理の方法として、生EMG信号は、最初に10-500Hzでバンドパスフィルターし、全波整流化した。 EMG信号は、歩行周期の100%で時間正規化した。 EMG振幅は歩行周期全体での各筋肉の平均振幅によって正規化した(Yang and Winter1984;Rosaら2014)。足関節で主動作筋/拮抗筋の同時収縮(TA/ LGの同時収縮)の大きさは、振幅正規化筋電図を用いて、同時収縮指数(COI)で定量化した(Chowら2012;Rosaら2014b)。



【結果】
麻痺側SS中のCOIは、麻痺側足関節背屈角度、足関節底屈モーメント、足関節パワー、およびCOPの速度を負の相関を認めた。
また、両側DS2中のCOIは、両側の前方推進力(Anterior GRF)の大きさと負の相関を認めた。
【結論】
同時収縮は関節の剛性を高めるため、脳卒中後の単脚支持中の足関節運動の減少と関連し、立脚支持での不安定性を有する患者にとって有用である可能性がある。
【本研究の限界】
麻痺側足関節の筋力と歩行の機能回復に対応する足関節筋の同時収縮の補償戦略の変化は、現在の観察研究では明らかではない。したがって、さらに長期的な研究は、脳卒中患者における筋同時収縮、歩行パラメータ、機能障害の変化、およびそれらの相関関係を調査する必要がある。


歩行における足関節筋の同時収縮は、脳卒中片麻痺患者にとって姿勢安定化のための戦略的反応であることを踏まえると、ある程度は肯定的に捉えるべきだと思います。
しかし、否定的観点から
同時収縮の増加は、それが脳卒中後の患者における歩行時に高エネルギーコストを誘導する(Detrembleurら.2003)。
脳卒中患者における足関節筋の同時収縮と歩行パラメータとの関係を検討しており 、 短い足関節筋の同時収縮は麻痺側の単脚支持期(SS)の短縮と歩行速度の低下に関連した(Lamontagneら.2000)。
そして
本研究の結果からも安易に肯定すべき戦略ではないと思われます。