ロコモティブシンドロームは運動器の障害により介護が必要になったりリスクが高いことです。
リハビリの業界では注目されているためか、多くの勉強会をみかけます。
運動器疾患は徐々に増えており、予防していかなければなりません。
是非、ロコチェックをしてマズイと感じましたら、予防に取り組んでみてください!!

ロコチェック 7項目
・片脚立ちで靴下がはけない
・家の中でつまずいたり、滑ったりする
・階段を上がるのに、手すりが必要である
・横断歩道を青信号で歩けない
・2kg程度(牛乳パック2本くらい)の買い物をして持ち帰るのが困難である
・掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど、家の中のやや重い仕事が困難である
1つでも当てはまる項目があればロコモティブシンドロームの心配があります

以上、下記の記事を参考にしています。


日経メディカル2011年12月号特別編集版「インタビュー」
ロコモは早期発見から予防の時代へ

日本整形外科学会が2007年から行っている「運動器の10年・骨と関節の日」記念事業も5年目を迎えた。2011年5月に同学会理事長となった九州大の岩本氏に、改めてロコモティブシンドロームの重要性について聞いた。

─2010年8月に「ロコモチャレンジ!推進協議会」を設立するなど、ロコモティブシンドローム啓発活動をさまざまな形で推進しています。

岩本 ロコモティブシンドロームの概念がなぜ提唱されたかというと、骨や関節、筋肉、神経といった運動器の疾患が、高齢者の寝たきりの原因として重要な位置を占めていることが、残念ながら国民に十分には認知されていない現状がありました。

 脳卒中などの脳血管疾患はいったん罹ると介護や支援が必要になる病気として広く知られていますが、2007年の国民生活基礎調査で介護や支援が必要となった主な原因疾患をみると、関節疾患と転倒・骨折を合わせた運動器疾患の頻度は第2位の21.5%に上り、第1位の脳血管疾患の23.3%と大差ありません。これは、認知症の14.0%や高齢による衰弱の13.6%を大きく上回る頻度です。

 われわれ整形外科医は、運動器疾患の予防や治療こそが介護や支援が必要になる高齢者をできるだけ少なくすることにつながると考えました。そこで、運動器の障害によって要介護となっているか、そのリスクの高い状態をロコモティブシンドロームと定義しました。

“ロコモティブドミノ”を食い止めたい

岩本 近年、高めの血糖値や高めの血圧、脂質異常が徐々に糖尿病や脳血管障害、心筋梗塞などに進行していくことを「メタボリックドミノ」と呼ぶようですが、運動器においても同じように「ロコモティブドミノ」が存在すると私は考えています。ロコモティブシンドロームを放置していると症状は徐々に悪化し、ついには歩行障害や転倒・骨折を来して、寝たきりになってしまう可能性があります。

 ロコモティブシンドロームの原因として具体的には、加齢による筋量の低下や関節・脊椎の変性、骨量の減少などが挙げられ、これらがさらに悪化すると、変形性膝関節症などの関節疾患、変形性脊椎症や腰部脊柱管狭窄症などの脊椎疾患、骨粗鬆症による脆弱性骨折などが起こります。介護が必要になる前の段階で、ご自身で自分のリスクに気づいてもらうことが重要なのです。


2009年には、ロコモティブシンドロームの代表的なサインを「ロコモーションチェック(ロコチェック)」として発表しました。

ロコチェック 7項目
・片脚立ちで靴下がはけない
・家の中でつまずいたり、滑ったりする
・階段を上がるのに、手すりが必要である
・横断歩道を青信号で歩けない
・2kg程度(牛乳パック2本くらい)の買い物をして持ち帰るのが困難である
・掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど、家の中のやや重い仕事が困難である
(1つでも当てはまる項目があればロコモティブシンドロームの心配があります)

岩本 ロコチェックで自分の運動器の状態を確認し、ロコモティブシンドロームの可能性があるとわかれば、開眼片脚立ちやスクワットなどの「ロコモーショントレーニング(ロコトレ)」をするよう勧めています。ロコトレで運動機能が回復したという成果も既に公表されています。

 もちろん、過度の自己流トレーニングは勧められません。例えば、以前のように長い距離が歩けなくなったという場合、原因は関節疾患かもしれませんし、腰部脊柱管狭窄症かもしれません。原因を突き止めて、その重症度に応じた適切な治療を行うためには、整形外科を受診する必要があります。ロコチェックはあくまでも、自分の運動器の状態を大まかに評価するためのツールと位置づけられます。

 特に、高血圧や糖尿病などの生活習慣病で内科を受診しているような患者さんは、運動器の疾患も合併しやすいことが明らかになっています。健康寿命を延ばすという観点から、より積極的なロコチェックを呼びかけていきたいと考えています。

引用:http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201201/522961.html
   メディカルオンライン 2012. 1. 4