柳亭種彦―読本の魅力~妖怪といわれた男 鳥居耀蔵 | 刺青|賽のじ雑記

柳亭種彦―読本の魅力~妖怪といわれた男 鳥居耀蔵

今を去る事168年前の今日
当時の暦だと天保13年7月19日

江戸の戯作者「柳亭種彦」がこの世を去りました
代表作は歌川国貞の挿絵で刊行された「偐紫田舎源氏」

本作は未完に終わっており
38編を刊行後作者である種彦が死去
既に執筆済みであった39、40編が
その86年後の昭和3年に刊行されています



この種彦の死亡に大きく関わっているとされているのが
かの悪名高い「水野忠邦の天保の改革」



↑これはその「天保の改革」の実行に深く関わった
鳥居耀蔵の位置からこの時代を描いた作品

つい「幕府=敵」「江戸市民=被害者」という
単純な図式で物事を捉えがちがけれども
世の中は多くの人々の思惑や都合
様々な正義感が複雑に絡み合って
形成されている事の一端を
知らせてくれる作品です

「天保」というこの時代
前に紹介した「天保水滸伝」でも
また違った一端を知る事が出来ます

彫り物(刺青)の成り立ちを確実につかみ
かつまた現在から今後の展望を占う上でも
是非理解しておきたい時代です


刺青|賽天 - www.psyten.com