菊籬(きくまがき) - 宮尾登美子著 | 刺青|賽のじ雑記

菊籬(きくまがき) - 宮尾登美子著


前の記事で高木彬光氏の「刺青の女」を取り上げたところ
そらんじゅ☆さんよりこの短編集をお薦め返しいただいたので
早速読んでみました

高木彬光氏の作品を
もう少し紹介しようと思っていたんですが
それはまた次回に

ノンフィクションや時代物、古典文学ばかり漁っているので
現代(これはちょい前の現代、所謂昭和物)の文学というのは
めったに手を出しませんので
完全に守備範囲外

出版も10年ほど前
音楽も文学も苦手なんです
・・・・・・・・リアルタイムが

宮尾登美子さんといえば
真っ先に思い浮かぶのは


これですね~~~
最高です



最近だと昨年の大河ドラマ「篤姫」の原作



もうちょい前の大河ドラマ「義経」の原作の2作品
あたりがなじみ深いですかね?

で、そうそう本題の菊籬

この短編集
「彫物」「金魚」「自害」「水の城」「村芝居」「千代丸」
そして「菊籬」の全7編

どれも苦労しながら
懸命に生きている女性たちの物語

もうお分かりでしょうが
僕のお目当ては巻頭に収録されている
「彫物」です

40ページほどの短編なので
さらりとしていますが
自己を確立する為の手助けとして
刺青を求めた女性の
傷つきながら哀しげで
けれども健気で人間らしい人生と

そこから垣間見える
刺青の値打ちや魔力が
丁度良く描かれています

どの作品も後味は少しばかり苦いけれども
どこか体温を感じる暖かさがあり
女性の持つ魅力や可愛らしさを
嫌味なく表現しています

女性作家さんの作品だけに
女性の方にお薦めしたい一冊です

ただし刺青に関しては
高木彬光氏の作品にも言えることですが
あくまで小説作品であり
エンターテイメントですから
全てが事実に基づいた正確な情報と
勘違いされないでくださいね

あ、宮尾登美子さんの記念館が北海道の伊達市にあるの
知ってました?


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