発達心理学のお話です。
聞いたことがあるかと思います。

母性が子供の成長に果たす役割についての研究はいろいろありますが

アメリカの心理学者ハリー・ハーロウ先生が大変興味深い研究をかつて行なっています。



アカゲザルの仔ザルを用いた実験です。


↑アカゲザルの赤ちゃんです。可愛い😍


仔ザルは生後すぐに母ザルから離されると育たずに大部分が死んでしまうそうです。

母ザルから引き離された仔ザルの目の前に、針金に哺乳瓶を取り付けた母ザルの人形を置くと
仔ザルはそれに抱きついてミルクを飲み、死なないで育つことができます。

この針金がむき出しの人形を『ハードマザー』と言います。




そして今度は、針金に柔らかい布を覆った、しかし哺乳瓶が付いていない人形(これを『ソフトマザー』と言います)を置いたらどうなったか?



仔ザルにしてみれば、生存のために最も大切なものはミルクなので
哺乳瓶が付いていないソフトマザーになんか目もくれないだろう…と思われていました。

しかし!

仔ザルはソフトマザーに抱きつき
何だったらその滞在時間はミルクを与えてくれるハードマザーよりも長かった…

という結果が得られました。



つまり

赤ちゃんが生育するためには
抱きつき、支えられる対象が必要
ってことを意味しています。

なかなか面白い実験でしょ?


ところがこの研究はその後追跡調査がされていて

人形の母ザルに育てられた仔ザルは生き延びることはできても、社会的な行動をうまく行なうことができない

と報告されています。

人形に養育された仔ザルが大人になって妊娠、出産をしても、育児に無関心だったり、仔ザルを虐待するというのです。

なんか悲しいですね😢


生後まもなく母ザルから引き離された仔ザルは、不安行動が強く、新しい体験や仲間に対して臆病だったり

また過度に攻撃的

孤立すると自傷行為や常同行為を繰り返すそうです。



これって
人間の養育にも当てはまることだと言われています。

母親の愛情と養育は、子供の基本的な安心感や社会性の土台となるチカラを養う上で、決定的な役割を果たすのです。


以前に看護学校とかで児童精神医学の講義を行なっていた時

つかみにこのお話をしていたことをふと思い出し

ソフトマザーとハードマザーのお話をご紹介しました。

いや〜
母は偉大ですね〜‼️