本日4月26日はアメリカの社会心理学者ジョージ・ハーバート・ミードの忌日です。

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大学の教養部時代に社会学か科学史かの講義で一度出会ったことがあったのですが

精神科医になって再びお勉強することになった人です。

彼は

自我は社会的相互作用の中で形成される

という考え方を提唱しました。

他者の役割を認知し、その役割を取得することによって自我が形成されるとし、これを

『社会的自我(Social Self)』

と呼びました。

すごーくわかりやすい定義だと当時感動したのを覚えています。

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ミードは自我を
『I(主我)』『Me(客我)』に区分しています。


組織化された他者や、社会全体の役割や態度を取得した自我をMeと呼び

一方そんなMeに同調したり批判したりする自我をIと考えています。

このIとMeの相互作用を通じて、他者からの自分に対する『役割期待(Role Expectation)』を身につけることによって自我というのは発達すると彼は主張しています。

具体的には…

子供の自我形成のプロセスは
『プレイ(play)』『ゲーム(game)』の2段階に分けられるとミードは言っています。

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まず第一段階は、おままごとなどの『ごっこ遊び』の段階。
子供はお父さんやお母さん、子供といった役割を演じます。
彼らはそのような役割を演じることによって、親や大人な期待や態度を自己に結びつけて認識できるようになります。

第二段階は、サッカーや野球などの『ゲーム遊び』の段階。
子供はそれに参加している全ての子供の態度を考慮しなくてはいけません。
つまり、ゲームに加わる子供は、複数の参加者のいろいろな期待をまとめたり、分析したり、組織化しないとゲームの楽しさを充分に享受することができなくなります。
こうした期待をミードは『一般化された他者の期待』という言葉で説明しています。


児童精神医学の立場からもこの理論はよく言及されています。

自我に関する概念や考え方は、これまでいろいろな科学者が説明していますが

ミードのこうした考え方は、私の中では一番しっくりいくように思えます。

ミードの著作は他にも興味深いものがたくさんあります。
『精神・自我・社会』や『プラグマティズムの展開』あたりがお薦めです。
Amazonで普通に買えると思います(多分)