本日10月18日はアメリカの発明王エジソンの忌日です。

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幼少期に私が初めて読んだ本って実はエジソンの伝記だったのです。

母が『世界の偉人全集』みたいなのを買ってくれて(別に欲しかった訳ではなく、母が勝手に購入して全て読むように私に命じたのですが💦)

その第1巻がエジソンだったのです。

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エジソンと言えば

天才とは1%のひらめきと 99%の努力である』

という名言で有名ですが

これって誤訳みたいで

エジソンの真意は

『私は1%のひらめきがなければ99%の努力は無駄になると言ったのだ。なのに世間は勝手に美談に仕立て上げ、私を努力の人と美化し、努力の重要性だけを成功の秘訣と勘違いさせている』


ということであったと後年語っています。


さらにエジソンと言えば…

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『注意欠陥・多動性障害(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)』だったと言われています。


ADHDは文科省の定義では

年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。
また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。


とされています。

最新のDSM-5では、“7歳以前”というのが12歳に引き上げられています。

さらに日本では、2014年の『日本精神神経学会』により、『注意欠陥』が『注意欠如』に改名され、現在の正式名称は『注意欠如・多動性障害』となっています。

※DSM-5…精神障害の診断と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)第5版


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最近では、子供だけではなく、大人のADHDが注目を浴びています。

実は私ってADHDなのでは?

と言って、『診断をつけて欲しい』と私の外来を受診される方が増えています。


お仕事に就いても長続きしない
勤務中に集中力がなくなり上司によく叱られる
忘れ物や落し物が多い
部屋が片付けられない
空気が読めないとよく言われる
話し出すと止まらなくなる

などとおっしゃいます。


前述のDSM-5による診断基準は以下の通り。

A1:以下の不注意症状が6つ(17歳以上では5つ)以上あり、6ヶ月以上にわたって持続している。

a.細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい。
b.注意を持続することが困難。
c.上の空や注意散漫で、話をきちんと聞けないように見える。
d.指示に従えず、宿題などの課題が果たせない。
e.課題や活動を整理することができない。
f.精神的努力の持続が必要な課題を嫌う。
g.課題や活動に必要なものを忘れがちである。
h.外部からの刺激で注意散漫となりやすい。
i.日々の活動を忘れがちである。

A2:以下の多動性/衝動性の症状が6つ(17歳以上では5つ)以上あり、6ヶ月以上にわたって持続している。

a.着席中に、手足をもじもじしたり、そわそわした動きをする。
b.着席が期待されている場面で離席する。
c.不適切な状況で走り回ったりよじ登ったりする。
d.静かに遊んだり余暇を過ごすことができない。
e.衝動に駆られて突き動かされるような感じがして、じっとしていることができない。
f.しゃべりすぎる。
g.質問が終わる前にうっかり答え始める。
h.順番待ちが苦手である。
i.他の人の邪魔をしたり、割り込んだりする。

B:不注意、多動性/衝動性の症状のいくつかは12歳までに存在していた。
C:不注意、多動性/衝動性の症状のいくつかは2つ以上の環境(家庭・学校・職場・社交場面など)で存在している。
D:症状が社会・学業・職業機能を損ねている明らかな証拠がある。
E:統合失調症や他の精神障害の経過で生じたのではなく、それらで説明することもできない



自己記入式のチェックシートと医師の問診により診断をつけるのですが
『私ってADHDなのでは?』と来院されるクライアントの大多数が該当しません(ご本人の思い込みであることがほとんどです💦)

診断室では注意深く問診を行ないますが
たいていの場合

診断室に入ってきた瞬間から数分で私は判別できます!

なので問診はあくまでも付加的なものである場合がほとんどです。
(長く精神科医をやっていると、表情や仕草、喋り方や歩き方だけで疾患を診断できることもあるのです)
(診断というのは、待合室にクライアントが座って待っていらっしゃる時からすでに始まっている場合もあります)


エジソンのお話から逸れてしまいましたが

ADHDの最近の知見と治療法については、また別の機会にお話したいと思います。

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