世の中にはさまざまな人がいて考え方もそれぞれ違う。
役者の演技を例に採り、期待してくれる人(たち)の要請や願望を鋭く
察知し、理解することが必要だと思っている人もいる。
つまり、役者が演技によって観客に応えることを引き合いにして、「自
分が所属する共同体が期待する行動をして期待を果たせ」と言いたいらし
い。
私は演劇には門外漢であるので、役者の演技がどのようにあるべきなの
かは分からない。
そもそも、観客の期待に応えるように役者の演技はなされるべきなのか。
それに、観客といっても舞台を観るために集まった観衆と映画を観に来た
観客とは違うだろうし、茶の間でテレビを観ている視聴者の期待に応えるの
とは違うだろう。
コアな信者の期待に応えるのと、そこまでの想い入れはないファンの期
待に応えるのだって違うだろうし、面白くなければチャンネルを変えようと
待ち構えている浮り気な居間人に応えるのはもっと違うだろう。
また、今の時間を共有する観衆と、数十年の時間のふるいにかけて評価
をする歴史という観客はまた違うだろう。
続く