ここ1週間毎夜、東京の大深度地下の駅に着くと、悪夢を見ているかの
 
うな気分に襲われた。
 
 見慣れていたはずの風景は殺伐とした別世界に変貌していた。
 
先週とは打って変わって、停止しているエスカレーターを無言で足早に降り
 
ていく人の群れ。
 
照明を落とした薄暗い駅の構内。なにやら余裕なく早口で語るマイクの声。
 
上りのエスカレーターも停止しているのが半々だ。
 
 JR線に乗ったとたん、いつもは暑い車内が冷え切っていることに気が付
 
く。
 
 電車の窓から見えたはずのさんさんと照明が輝いていたビルや歓楽街のネ
 
オンは、あたり一面真っ暗でよく見えない。
 
 続く