悲劇で終わるラブ・ストーリーでもあるジョージ・オーウェルの
「1984」の魅力に取りつかれてしまって、大嫌いで大の苦手にも
かかわらず本屋に寄って原作を買ってきてしまった。
この作品の魅力が翻訳者が生み出した日本語の力によるものか、
原作そのものの力なのか見極めたいと思った。
少し読んだだけだが、原作に忠実な訳のように思う。
ブラッドベリの「華氏451度」の場合は、帯にあるような、
「本は焼き尽くされて、人民に残された楽しみはTVだけ」
といった世界ではない。
「人民」が本を焼く尽くすことを望んだのだ。
「華氏451度」の描く近未来世界では消防士は焚書士になり替わり、
ホースからは水ではなく石油をまき散らし、隠し持っている本を家ごと焼い
てしまう。
いわば寓話、たとえ話だ。
なぜ「人民」が、百万あまりの禁止書目に指定された本を焼き尽くすことを
望んだのか。
続く