ようやく10巻目に突入し、後2章を残すのみとなった。

ここまで読み進んでまず思うのは、小説の力は偉大だということである。

もうひとつ、小説はさまざまな目的によって書かれるものであり、そのこと自体は是非を問われるような

ものではないということだ。
 
 だから文章の美しさを追求するのだけが小説ではないのだが、得てして才能のない人ほど

なんらかの目的によって書かれた小説を認めようとはしない。

もちろん自分のことは棚に上げて言っているのである。念のため(笑)。

 司馬遼太郎は、明治初期の九州地方の時代風景、西郷を始めとする人物像を小説という

鳥瞰図に描くことによって、多くの読者を得て比類なき影響力を持ったのだろう。

論文形式の文章だったら、同じように多くの人に理解され共感を得ることはできなかっただろう。

 続く