しかし、ユキスキュルが環世界の考えを発表した当時は、科学は唯物論的な風潮一色であり、彼の考え

は受け入れられなかった。

環境は、Umgebungであって Umweltではなく、客観的に存在するもので、数値に置き換えられるものであ

った。

その端緒は、デカルトが開き、それゆえデカルトは、近代科学の父となった。

 ユクスキュルは、「環世界説は、カントの学説を自然科学的に活用しようとするものである」と言って

いる。

ただし、カントは日高氏の言う「唯心論」ではなく、「先験的(超越論的)観念論」である。

しかし、日高氏は「環世界は、動物主体によって『客観的な』全体から抽出、抽象された、主観的なも

の」とも言っているので、「唯心論」という言葉を誤解しているに過ぎないようだ。

続く