北海道苫小牧市の食品加工卸会社「ミートホープ」が、牛肉コロッケに、豚肉や豚の心臓、腐った肉な

どを混入させていた疑いがもたれている問題で、北海道道警が「ミートホープ」社長に対し、本格的捜査

に乗り出す方針を固めるなど、事件は大きな広がりを見せている。

 私は、この事件を20日朝日朝刊で知ったが、この時点では、読売、産経に記事は載っていないが、

朝日は大きく紙面を割いて報道している。
 
 21日朝日夕刊によると、すでに1年前に、同社の元幹部が、農水省北海道農政事務所を訪れ、

「牛ミンチ」を示し不正が行われていることを訴えたが、提示した肉も受け取ってもらえなかったよう

だ。幹部は「ほぼ門前払いの形だった」と憤っていると書かれている。

20日テレビでは、事務所側は「事実関係が確認できなかった」と釈明、その後の説明では、

「道庁に調査を依頼した」となった。

しかし、道庁の側は、「そのような事実はない」と反論している。
 
マスコミは、このことにつき「不可解」とか「行政の怠慢」とか言ってお茶を濁している。

別に「不可解」なことではなく、「怠慢」で門前払いしたわけでないことぐらい分かっているだろう。
 
 「ミートホープ」は、不景気の続く北海道にあって、苫小牧を支える重要な基幹産業であり、田中社長

は、道有数の地元有力者なのだ。

 農水省の出先機関も、道庁も、道警も、ようするにグルであり、「ミートホープ」を苦境に陥れること

は出来なかった、ということだ。

本来なら、道警は、1年前に捜査すべきだったが、それは誰も望んでいないことだった。

 殺人のような、余程のことがない限り、地元有力者の周辺に起こったことには手を出さない、あるいは

出せない、というのが、地方の現実ではないのか。

もしかすると、余程のこと、殺人であっても騒ぎになっていなければ、「事実関係が確認されていない」

と言い張り、「門前払い」して、他殺も、自殺あるいは事故死としてしまうこともあるのかも知れない。

ここに、たとえ道州制のような、大きなエリアに分割する、地方分権制でも、民主主義の息の根が完全に

止ってしまうと、私が危惧する理由がある。

 また、ミートホープ社の製品のDNA鑑定を行い、豚肉などが混入しているかどうか調査しているが、本

当は他社製品を調べ、事件が氷山の一角であるかどうかを、調査すべきだろう。

耐震偽装事件では、「姉歯が、姉歯が」と非難し、問題を個人的資質に帰せてしまった感があるが、今回

も、「ミートホープ」の田中社長のみを悪人にして、一件落着としたいように、テレビからは見受けられ

る。

追記

本日24日のテレビでは、田中社長は「業界全体が悪い。もちろん私が一番悪いが。消費者も安いものば

かり求めている」と、憔悴した顔で話していた。

この上は、自分ひとりで責任を背負い、構造的問題を闇に葬るのではなく、業界全体の問題をすべて

話したほうが、いいのではないか。