愛知県の長久町で、元妻を人質に取り、銃を持ち、立てこもっていた男が、投降し事件発生から29時間

経ち、ようやく解決した。

この事件では、玄関前で撃たれた警官を救うため、警官隊が突入したが、警戒にあたっていたSATの隊

員、林一歩巡査部長が、被弾し死亡した。

 最初に、撃たれた警官は、慎重さを欠いていた面があったとは言え、「拳銃はおもちゃだ」と通報され

たこともあり、判断ミスは仕方がなかっただろう。

問題は、撃たれた警官を救出するまで、なぜ路上に5時間も放置したのかが、不可解であること。

もう一つは、万全を期した救出行動であったはずにもかかわらず、拳銃しか持たない、たった一人のチンピ

ラに対し、完全装備でサブマシンガンを構えたSATの隊員が一発も撃たずに、逆に撃たれて死んでしま

ったことだ。

 愛知県警は、救出するまで5時間も放置したことについて「場所や環境が悪く、第2第3の被害を出さ

ないよう最善の態勢を尽くした」と弁明している。

しかし、頚を撃たれ、負傷した警官は、結果的には助かったが、救出前には、長時間放置しておけば、

出血多量や、肺を損傷して呼吸不全、などで死ぬ可能性があると、十分考えられたことである。

いくら男が「近づけば撃つ」と威嚇し、元妻が「近づくと殺される」と叫んだとしても、最も死に直面し

ていたのは、撃たれて負傷した警官ではなかったのか。

現に、撃たれたとは言え、男の子ども二人に、命に別状はなかった。

元妻も、「自力で脱出」ではあるが、男が本気で人質にしておくつもりなら、電話中であっても、一人で

トイレには行かせなかっただろう。

 救出するまで5時間も経過したのは、「最善の態勢を尽くした」のではなく、内部で救出方法について

激論が交わされたからではないか。

「最善の態勢」と言っても、援護射撃もせず、犯人の前に、のこのこと、大勢で行けば、「撃ってくれ」

と言っているようなものではないか。

それに、ジェラルミンの盾は、本来は投石に対する防御であり、銃弾に対する防御ではないだろう。

少なくとも、SATが本来の実力を発揮し、銃撃すれば、今回の犯人はひとたまりもなかったはずだ。