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 百年来、千年来とも言われ、農民の自殺が相次いでいるオーストラリアの大旱魃を、メディアが取り上げることは、ほとんどない。
その理由について、ゆき乃さんのコメントに答えるかたちで、日本とオーストラリアとのEPA(経済連携協定)交渉が背景にあるのではないかと書いた。

 この協定が結ばれると、資源大国であるオーストラリアとの関係が強化される一方、牛肉、乳製品の国内生産は半減、小麦、砂糖は100%減少することが予想されている。そうなると、北海道、沖縄の畑作地域の農業は、事実上壊滅すると言われている。

 オーストラリアは、現在、日本への石炭、鉄鉱石、天然ガス、ウランの重要な供給国である。
特に、ウラン鉱石の埋蔵量は、世界で最も多い。
安倍首相は、著書「美しい国へ」で、オーストラリアは「自由、民主主義、基本的人権、法の支配」といった普遍的価値を共有しており、その価値観を広めるための重要な戦略的パートナーとなるためにEPAが必要と述べている。
しかし、オーストラリアとの価値観を共有しないはずの中国も、EPAの交渉を進めており、日本が、中国の動きにあせっていることも背景にあるようだ。

 もちろん、現在の日本で、食料自給率100%は不可能であるし、食料の生産にも石油、電気などのエネルギーが不可欠である以上、みかけの自給率だけにこだわるべきではないかも知れない。
しかし、先進国最低の、日本の食料自給率をさらに下げることへのリスクをどう考えるか、あるいは、農業という産業、文化に、壊滅的な打撃を与えることが、長期的に見て、良いことかどうかであろう。

 そして、オーストラリアの大旱魃である。前回書いたように、もし地球温暖化と関連しているならば、百年、千年後ではなく、また起こるということだ。
オーストラリアと言わず、世界のどこかの食料輸出国で、地球温暖化の影響で、大旱魃が起これば、これも前回書いたように、世界的な食料危機の起きる可能性は年々高まっている。
日本の農業が壊滅的打撃を受けた後、再び、荒れた土地で、穀物を生産することは不可能であろう。
そのリスクと、資源・エネルギーの確保を勘案した場合、どちらを選ぶべきか。
日本の人口はこれから減少し、経済の規模が縮小していくのは避けられない。
であれば、すべてを犠牲にして、資源確保に走るのが得策であるかどうか。
もちろん、長期的なエネルギー源の確保は必要不可欠であるが、ウラン鉱石の埋蔵は、世界各地に散らばっている。

参考図書 「週刊東洋経済」 2007年1月13日号「 日豪EPAで農業は壊滅?」

経済連携協定(EPA)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E9%80%A3%E6%90%BA%E5%8D%94%E5%AE%9A

【正論】衆議院議員、弁護士 稲田朋美 「美しい国」に逆行する日豪EPA
http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/seiron/061209/srn061209000.htm

http://www.asahi.com/strategy/0830a.html

http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz07q1/521940/

http://www.asahi.com/international/aan/hatsu/hatsu060830.html

ウラン資源
http://www.iae.or.jp/energyinfo/energydata/data3032.html