5年前の航空機のニアミス事故で、刑事責任を問われた管制官2人に対し、東京地裁は無罪判決を下した。私は妥当な判断だと思っている。
無罪の根拠は、管制官のミスだけでは事故は起こりえず、パイロットの状況判断も含めた複合的な原因によるものであり、管制官だけに責任を負わせることは出来ないということであったようだ。
関東の上空は、米軍や自衛隊の空域もあり、極めて過密な状況にあるようだ。
その状況の中で管制官は、レーダーに映る各航空機の位置、速度を瞬時に把握し記憶して、瞬時に各航空機のパイロットに指示を出さなければならない。
そのような管制官の業務は、30代前半が最も脂ののる年齢だと書いてあるのを以前読んだ。
だから、5年の年月を空費した2人、特に指導する立場にあった30代後半の管制官には同情の念を禁じえない。
正当な業務に対し、刑事責任を問うには、よほどの過失があった場合に限るべきではないのか。人間のやることである以上、ミスは起こりうる。
それに逐一、刑事責任を問い犯罪者にするというのなら、なにも学ばずなにも修練せず、あるいは責任のある仕事はぜず、あるいは金儲けのような欲のみを追求する者たちの方が得をする社会となるだろう。